(抜粋)
1 8 世紀の常識からすれば、経済問題は他の政治や文化の問題と不可分に論じていくべきもので、そこだけを分離して発展させることなどは、よほど特殊な条件のもとでなければ無理だとされていた。

一口に「自由放任・市場万能論を信用しない立場で経済のメカニズムを記述する」と言ってもそれはそう簡単にできることではない。そしてそれに成功した最大の存在こそがケインズだったのであり、同時にそれはマクロ経済学への道を開くことになった。それゆえ現在ではこちらの流れ全体が「ケインズ流」の名で呼ばれるようになってきているのである。

(コメント)
経済の歴史を見ると人間が物事を理解し客観し集団で行動するようにするということがいかに難しいかということがよくわかる。