(抜粋)
英国の経済戦略としては、いずれにせよたとえ投資家たちを犠牲にしても、国内で企業家階層に味方して元気づける政策をとるほかない。なぜならどのみち英国の国内産業の実力を、傍から見ても魅力的なほどに回復させない限り英国の資本は、企業家の手の中では企業の衰退と共に痩せ細り、投資家の手の中のものは
魅力的な投資先を求めて国外に逃げ出すということが同時進行し、それを引き留めておくことも創出することもできないからである。

つまりケインズ経済学とは、国内における企業家と投資家の闘争において、明らかに前者に味方して後者を滅ぼそうとする戦略としての側面をもっていたのである。

(コメント)
投資家は自国の産業などどうなってもよく、自由に投資できればよい。そういった投資家と痩せ細る英国企業家の闘争にケインズ経済学が使われたということ。