(抜粋)
19世紀以降自由・平等主義の高まりとともに、エジプトのピラミッドは悪しき君主制時代の圧政を象徴する無意味な遺物の代表例とされたのである。
ところが思想の力というものは大したもので、ケインズ経済学が登場して以来、こういう見方はめっきり減った。ケインズ自身が著書の中で半ば冗談まじりにピラミッドについて言及していることも手伝ってか、実はこのピラミッドというものは圧政とは逆に、むしろ失業救済という意味があったのではないかという見解が一般にも語られるようになったからである。
それというのもナイル川は定期的に氾濫を起こすことが知られており、毎年その間は農作業が不可能となっていた。そのためその期間、国家が食料と住居を保証してピラミッド建設という公共事業のため、労働者として彼らを雇うことは、立派な失業対策になるではないかというわけである。
ケインズ経済学はそうした政府が行なう公共事業の経済的効果について、学問的にきちんとした裏付けを与えた。そしてその実際の効果は、単に労働者に今日一日分の生活費を与えて家に帰すというのに留まらないものがあることを示したのである。
(コメント)
ピラミッドの公共事業の見解はケインズ経済学が裏を取っていたのだなぁ。
19世紀以降自由・平等主義の高まりとともに、エジプトのピラミッドは悪しき君主制時代の圧政を象徴する無意味な遺物の代表例とされたのである。
ところが思想の力というものは大したもので、ケインズ経済学が登場して以来、こういう見方はめっきり減った。ケインズ自身が著書の中で半ば冗談まじりにピラミッドについて言及していることも手伝ってか、実はこのピラミッドというものは圧政とは逆に、むしろ失業救済という意味があったのではないかという見解が一般にも語られるようになったからである。
それというのもナイル川は定期的に氾濫を起こすことが知られており、毎年その間は農作業が不可能となっていた。そのためその期間、国家が食料と住居を保証してピラミッド建設という公共事業のため、労働者として彼らを雇うことは、立派な失業対策になるではないかというわけである。
ケインズ経済学はそうした政府が行なう公共事業の経済的効果について、学問的にきちんとした裏付けを与えた。そしてその実際の効果は、単に労働者に今日一日分の生活費を与えて家に帰すというのに留まらないものがあることを示したのである。
(コメント)
ピラミッドの公共事業の見解はケインズ経済学が裏を取っていたのだなぁ。