(抜粋)
「高金利」や「低金利」などと言われても、それらの話は理屈を頭で一応理解しても、どうも何だかなかなか頭の中に定着してくれないものである。それらは何度聞いてもすぐに忘れては覚え直すことの繰り返しになってしまい、そしてそれは経済に対して苦手意識を持つ人に共通しているように思われる。
しかし読者に尋ねたいのだが、第1 章が比較的容易に理解できたことの裏には、それを「鉄道」のイメージで捉えて、金融全体を歴史的にドイツの国鉄などと対応させるという、一種の世界観の力が意外に大きかったのではあるまいか。

経済常識の一つとして一般に「デフレの時には低金利になる( または逆に、インフレの時には高金利に
なる)」というものがあって、その話がこの章の内容と接点をもっているからである。そのためこれをうまく鉄道の話に翻訳して、先ほどのインフレとデフレに関する何枚かのイラストの中にはめ込めば、表現の糸口が得られるのではないかというわけである。


(コメント)
軍事戦争と経済戦争を対応付けて高金利と低金利、言い換えるとインフレとデフレを表現しようというものである。