(抜粋)
給料の5分の1を貯金として銀行に預金するというのは、割合に普通で常識にかなったことのように思われる。それに対して経済の5分の1 が、経済を加速度的に超高血圧にしてしまうような設備投資に振り向けられているというのは、全く気違いじみて現実離れしたことのように思える。しかし両者は分かち難く結びついているのである。

そもそも貯蓄を行なうことを当たり前だと思っていることが、最初から間違っているのかもしれない。少なくとも経済メカニズムの理屈からすれば、人々が貯蓄に励むようになれば、経済社会は超高血圧かの二者択一を迫られる宿命を背負うことになるのである。

そして銀行という組織は、裏庭にもぐり込もうとした金貨を再び誘い出して経済社会の中に戻す作用をするという点で、確かに貧血症状に対する救世主ではあったが、その代償として経済は超高血圧症状を強いられる羽目になってしまったというわけである。


(コメント)
貯蓄を実施した分、ハードワークになる(戦争状態が激しくなる)という観点、分かちがたい関係のところおもしろい。

そうだよな、よくよく考えれば設備投資は貯蓄から生まれるわけだから。

一度どこかで設備投資をしたらずっと競争せざるを得ない。

昔のイスラムの人は、貯蓄を奨励しない仕組みを社会に作ったようだがよく考えたもんだよなぁ。
条件つきで敵がいなければ成立するわけだがというところ。

この観点だけ考えると、アメリカ対イスラムでよく戦争実施しているけど、貯蓄を実施するかしないかの思想の戦争としてシンプルに扱うことができそう。

イスラムは貯蓄をしないという性格を持つものだとすると現状維持でいいじゃんという方向、アメリカは常にオバマさんが言うようにチェンジを要求するものということ。

チェンジするには貯蓄が必要なんだろうな。

なんか現実はシンプルだ。

そしてチェンジにもう疲れたという人が唱えるのが、ある意味自由経済の方向性ともいえるのだろうか。ハシゴ取り外せばもういいじゃんという感じ。