社労士試験では一般常識として労働白書などの知識も問われます。当然、そのための勉強もしたのですが、その中で面白かったのはいわゆる「女性の社会進出」という傾向についてです。
 
というのは女性の進出と男性の失業ないし引退がパラレルな関係にあるからです。少なくとも数字上は。
 
例えば、
 
完全失業者数→男性は4万人増、女性は6万人減。
雇用者数→男性は16万人減、女性は18万人増。
就業者数→男性29万人減、女性は3万人増
 
それぞれの定義はひとまず措きますが、要するに働く女性が増え、逆に働く男性が減っているということです。見ようによってはそれまで男性が就いていた職に女性が進出したともとれます。
 
完全失業者数と雇用者数なんて露骨ですね。女性の失業者が6万人減って、男性の失業者が4万人増え、男性の雇用者が減った分、ほぼ同数の女性が雇用されているわけですから。
 
ついでに、労働力人口は男性の減り幅が圧倒的に大きいです。
 
労働力人口→男性25万人減、女性は3万人減
 
これは団塊の大量退職によるものでしょうね。男性が大きく減るということは、必然的に女性の占める割合が跳ね上がるわけです。実際、雇用者総数に占める女性の割合は42.3%で過去最高だとのこと。
 
こういう数字を見ると女性の社会進出は確かに進んでいますが、安直にそれを喜ぶわけにもいかないなと考えさせられます。職というパイの大きさは同じなので、一方が増えると他方が減ります。
 
しかも女性の賃金は相変わらず男性より安い(男性は1081円/時、女性は979円/時)。ということは働く女性が増え、働く男性が減るというのは、ある意味、労働ダンピングが進んだとも解釈できます。
 
労働力人口全体は上に示したとおり男女とも減っていますし、そもそも日本の人口自体、一日に345人ずつ減っているとのことです。まさにダウンサイジング。
 
でも名目GDPは2001年に504兆円だったものが、2011年には537兆円ですから、経済規模自体は30兆円ほど拡大したわけですね。
 
こうなってくると日本は豊かになっているのか、貧しくなっているのかよく分かりません。生活実感としては豊かになっているようにも感じませんけどね(;^_^A