まったく急いではいないものの、最後の仕上げに宅建をとっておきたいなという思いがあります。本来、賢く立ち回るなら司法書士試験を諦めた時点で取っておくべき資格だったのです。
 
大型資格を諦める場合でも、その知識が消えないうちにそれに準ずるクラスの資格はとっておくべきです。そうしないと、折角の努力が社会から全く評価されずに終わってしまうからです。私は司法書士試験後にこれを痛いほど体験しました。
 
無駄なんですね、こちらがどれだけ登記の知識があると言っても。それより宅建でも持っている人のほうがよほど信頼される。
 
司法試験講師の柴田孝之さんも『試験勉強の技術』で述べています。
 
「必ずしも努力しても評価されるとは限りません。・・・また努力しても結果が表れなければ評価されないのは、何も日本だけでなくどこの社会でも同じです」
 
シビアな現実です。
 
確かに私も、司法書士試験を目指して勉強して、最後に宅建で終わることには相当抵抗がありました。甚だしい妥協というか、敗北に思えました。だから結局とらずじまいでした。
 
しかし今にして思えば、これは自ら自分の努力を裏切ったようなものです。宅建くらい余裕で受かるレベルまで勉強したのに、その価値すら付与してやらずに努力を葬ってしまったのです。
 
ですから、司法試験なら行政書士、司法書士・行政書士なら宅建、社労士なら年金アドバイザーのように、近接資格は意識の中に入れておくべきだと思います。