【極楽金魚ビシャモン】❻-①

「イナトミ!来週は海外ロケだ。グラビアアイドルの撮影だ。有名なディレクター&フォトグラファーがビデオ撮影するらしい。アシスタント、よろしくな」

「え、準備期間一週間しかないじゃないですか。大丈夫ですか」

「いいから、大丈夫のようにしろ。よろしく。」

 

“希望に起き、努力に生き、感謝に寝るものは幸せである”

“面白きことも無き世を面白く、住みなすものは心なりけり”

極楽金魚は、宣う、

もうチョイ、黙って様子見ることにしとこうか、とろくさいやつだからな。

いろんなことがあるかも知れんけど、ハッピィに生きようぜよ。ハッピィ、ラッキィ、ネイチャーじゃ。

しかしなあ、シナリオ書いて、認められて監督すれば、万歳、それでいいんじゃろう。

 

 何、ネタがないじゃと、だからイナトミはとろくさいんじゃな。ネタはあるじゃろうが、まだ気づかんのかい。ネタはここにあるんじゃ。ここに。誰と会話しとると思ってんかな。脚下照顧。ネタは極楽金魚じゃが。

 

 奴は、その粘り強さで、やるせない毎日に、そのうち輝ける光を見つけるじゃろう。ワシが目を付けた輩じゃからのう。大丈夫だ。扉をこじ開けるはずじゃ。親の想いも無視して好きな道に進んだのだからさ。そうじゃないと生きる資格がないんじゃ。男は強くなくては生きてはいけない優しくなければ生きる資格がない。 とな。とな。

 

 時代はついて来とるぞ。そうじゃ、貴様が選んだ道は、貴様にとっては当たりじゃ。貴様の性格は、その道にあっとるぞ。貴様が学生時代に出会った師匠が言っていたじゃないかい。

「これからは映像の時代だ。あらゆるものがビジュアル、それも動く映像で表現されるようになるよ。見てみなビデオなるものが身近になってきただろう。一般の人たちがビデオを手に取り、日常を記録したり、表現者たちはビデオ映像で作品作りを始めるよ。

君は映像表現者、映像づくりの監督を目指しなさい。企業が目を付けないわけはないだろう。何がいいか。映像は分かりやすいんじゃ。“激しく考え、優しく語る”まさに映像そのものだ。

 

難しいことを映像に置き換えて分かりやすく教える。そして音楽にのせて、見ている人の感情にも訴えることが出来るんだ。その橋渡しをやれるのは映像の監督だ。

激しく考え優しく映像で伝えるんだ。やりがいがあるだろう。しかしその技術をまず学ばなければならない。

 

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お花も美しい!