小川忠太郎先生 - 楢﨑正彦先生
『正念相続』小川忠太郎範士
相手の弱点はどこか、どんな技でいったらよいか等々、二念、三念と起ってくる。
こうなると心はそのことにとらわれ、自由に働けなくなる。
次から次へと湧き起る雑念・妄想を正念化
(正念とは頭で考えたものではない自然の念)する。
そしてその正念を念念念……と相続する。
正念のかたまりにしてしまう。
こうすれば、沢庵が『不動智神妙録』で
「とどまるな」の一言で教えるように心はなにものにもとどまることなく、
水のように自由に働けるようになり、
相手の千変万化に対応できるのである。
この正念相続こそ正しい剣道の根幹であり、
人間形成の嶮関である。
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