トゥールーズ・ロングステイ2023(13日目・その7) | 草木染の毛糸屋さん

トゥールーズ・ロングステイ2023(13日目・その7)

2023年9月17日(日)世界遺産の日

トラムと地下鉄A線を乗り継いでサン・シプリアン(Saint Cyprien)に出る。【家】からみるとポン・ヌフ(Pont Neuf)を渡ったガロンヌ川の川向うがサン・シプリアン地区になる。中心街よりずっと新しい地区なのでバラ色レンガの建物が並んでいるのではないけれど、洗練されたエリアとエスニックな通りが混在する面白い地区だ。

 

昼食

地下鉄から階段を上がったところのぐるりにテラス席が見える。そのうちの1件に行った。【BISTRO 12】という。12というのは番地。

ショップカードのイラストが可愛い。

ガロンヌ川とポン・ヌフ、太陽、右に見えるのはサン・ジャック施療院を模式化したのだと思う。全体を支えているのはワイングラスかしら?デフォルメのセンスがいいよね。

わたしたちを見ると、ここでも明るくて気配り目配りの行き届いたウェイターさんがすっと近寄ってきて、英語で「こんにちは」と話しかけてきた。わたしがフランス語で「こんにちは。食事をしたいのですが、まだ大丈夫ですか?」と尋ねると、フランス語に切り替えて「もちろんです。どうぞ、お好きな席をお選びください」とにこやかに応えた。

風がとても強かったので、テラス席の中では風当たりの弱そうな席を選んだ。

メニューを見て、周囲を見回して、ちゃんとした1人前はふたりでも無理と判断し、わたしが前菜から1つ(生ハムとチーズを使った前菜)、夫がサラダから1つ(チキンと青菜のサラダ)注文した。ウェイターの彼は「マダム、この前菜はあまり量が多くありません。生ハムを使ったお料理でしたら、メインの方にもありますから、そちらの方がよろしいのではありませんか?」(丁寧な言葉遣いだった)と言ってくれたのだが、「完食できる自信がないので、もし、もう少し、いただきたいということになったら、改めて注文させてもらいますね」と私は応えた。

料理を待っている間に、隣のテーブルの気のいい男たちが外国人の老夫婦に興味を持ったらしい。意を決してひとりがやってきて「おはよ ございます」と声をかけてきた。おはようの時間ではないなあとにこやかにBonjour Monsieurと返す。子供みたいに嬉しそうな顔をして、彼は仲間たちのところに戻っていった。「やっぱり日本人だったよ」とでも言ってるのかもしれない。

そうこうするうちに料理が届いた。

ふたつの料理を並べると、大きさの差がわかると思う。

サラダボールは大盛用のラーメンどんぶりくらいある。チキンは1枚以上入っていると思う。途中で料理を交換しながら、ふたりして頑張って(特に夫は猛烈に頑張って!)食べた。チキンは表面がカリカリで、中がしっとり。どちらも美味しかったけれど、生ハムは前菜にしておいて正解でした。

おなか一杯だったけれど、デザートを注文することにした。ウェイターの彼氏はわたしたちが一生懸命食べているのを見ていたのか、あえてデザートはとは聞きにこなかったけれど、別腹ならいけるかもと思った。それに、ヴィクトル・ユーゴ市場の近くのレストランでデカフェを飲んで以来、夫がすっかりトゥールーズのデカフェを気に入ってくれたので、わたしもコーヒーが飲みやすくなったということもある。

クレームブリュレは完売していたので、ティラミスをいただく。わたしはエスプレッソ、夫はデカフェ。わたしはわたしでエスプレッソがすっかりに気に入っている。コクのある深い味わいのコーヒーはデミタスでいただくのがちょうどいい。ミルクも砂糖も入れない。甘いデザートとよく合う。

一口食べてしまったけれど

実は、最初ティラミスにスプーンがついていなかった。コーヒースプーンがあるからいいかと思って、気にせず、食べていたら、ウェイターさん、途中で気が付いて、スプーンを持って飛んできた。もちろんスプーンは2本。こういうところは黙っていてもよく気が付くなと思う。写真ではわかりにくいのだけど、このティラミス結構大きくて、コーヒースプーンだと底のほうが食べにくいかなと思っていたので、気ィついてもらえてよかった。