トゥールーズ・ロングステイ2023(5日目・その11) | 草木染の毛糸屋さん

トゥールーズ・ロングステイ2023(5日目・その11)

2023年9月9日(土)

シテ・ド・レスパス(Cité de l'espace)(8)

プラネタリウム

久しぶりのプラネタリウム。設備の感じは日本のと同じ。子どもたちの団体や家族連れでほぼ満席だった。説明がわからないときのために、入口で英語のヘッドセットを借りておいたが、話すスピードもそんなに速くないし、子ども向けでもあるので、易しいフランス語だったから、ヘッドセットは使わずにすんだ。こうやって少しずつフランス語に耳を慣らしていけるのはよかったと思う。

上映時間は30分。その時の特集を三択クイズを解きながら説明してくれる。日本だと最初に映される「今日の星空」が最後だった。

 

はやぶさを探して

プラネタリウムの上映を見た後、JAXAの展示があるというExpositions(展示ホール)に向かう。それなりに目を光らせて探していたつもりなのだけれど、見つからない。館内の学芸員に尋ねたところ、さすがに館内のイベントだけに、彼は展示場所を知っていた。

展示は拍子抜けするほど小さなコーナーで、階段を上って展示室に行く途中の渡り廊下のようなところにちょろっと作られていた。長机1個分くらいかしら? 午前中の館内の見学時にその前を通っていたはずなのに、まったく記憶にない。それくらい謙虚すぎる展示だった。わたしが期待していたようなはやぶさ2のレプリカどころか、縮小サイズのモデルもなかった。ちゃちな切り抜きがボードに張り付けられていたけれど。

JAXAの展示なので、仏英西に加えて日本語の説明もある。月以外の天体から初めて試料を持ち帰ったと書いてある。

はやぶさ2の冒険については動画で紹介されていた。いかにも作り物のイメージ動画で、臨場感というかわくわく感はなかった。プロトタイプなりレプリカなりがあって初めて、動画を見たい気持ちになるんじゃないのかな? そもそもはやぶさ2とかリュウグウとか言われて「ああ、知ってる。日本の快挙だよね」なんて思うフランス人がどれくらいいるか疑問だし。JAXAは何を伝えたかったんだろう。

リュウグウから持ち帰った試料はガラスケースに入れられて展示されていた。貴重なものだと思うけれど、残念なことに、その貴重さが伝わる展示ではなかった。わたしたちが見ている間、立ち止まる人はいなかったのだ。

試料を回収した容器

はやぶさ2については、もう1枚の説明パネルに、「はやぶさ2には小型探査ローバーMINERVA-IIが2機と仏独が共同開発した着陸機MASCOTが搭載されていた」ことが書かれていた。わたしはMASCOT云々については知らなかったけれど、フランス人なら知ってる人はいるかもしれない。フランスで展示をするのだから、どうしたらフランスと日本の協力関係を示しつつ、日本の快挙を伝えられるのか、展示方法を考えるべきだと思う。JAXAのスタッフはシテ・ド・レスパスは宇宙のテーマパークだからと舐めていたのだろうか、実物か実物大レプリカが山ほど展示されている場所で、これでは見てもらえない。日本人のわたしたちが、この展示を探していたのに、見逃していたくらいだし、シテ・ド・レスパスのスタッフが知らないくらいなのだから。2021年に日本科学未来館ではやぶさ2の実物大モデルが展示されたはず、それを借りるとかできなかったのかな? 欧米の機体だけならまだしも、中国の嫦娥4号が屋外展示されていたのを見ているだけに、なんだか悔しいのだ。