1. LLMOとは|SEO・GEO・AIOとの違い

まず用語を整理します。混同されがちですが、指しているものが少しずつ違います。

用語 正式名称 最適化の対象
SEO Search Engine Optimization 検索結果での表示順位
LLMO Large Language Model Optimization 生成AIの回答内での引用・推薦
GEO Generative Engine Optimization 生成AI検索エンジン全般での露出
AIO AI Optimization AI活用全般の最適化(定義は各社で幅がある)

実務上、LLMO・GEO・AIOはほぼ同じ施策を指していると考えて問題ありません。会社によって呼び方が違うだけというケースが大半です。用語の違いにこだわる会社より、施策の中身を説明できる会社を選んでください。

重要なのは、SEOとLLMOは対立するものではないという点です。AIが回答を生成する際は既存のWebページを参照するため、そもそも検索エンジンに評価されていないサイトはAIにも引用されません。SEOはLLMOの土台として引き続き必要です。


2. LLMO対策が必要な企業・不要な企業

すべての企業に必要なわけではありません。優先度が高いのは以下のようなケースです。

優先度が高い

  • BtoB商材で、検討フェーズにAIでの比較検討が入る業界
  • 「〇〇 おすすめ」「〇〇 比較」といった検索がCVに直結する事業
  • 競合がまだ着手していない領域(先行者利益が働きやすい)

優先度が低い

  • 指名検索が中心で、そもそも比較検討されない事業
  • 商圏が極端に狭く、来店前提のビジネス
  • SEOの基礎がまだできていない(先にSEOをやるべき)

3つ目は特に重要です。サイトが検索エンジンに正しく認識されていない状態でLLMOに投資しても効果は出ません。 「まずLLMOから」と提案してくる会社には、SEOの現状をどう評価しているかを聞いてみてください。


3. LLMO対策の費用相場【2026年版】

サービス形態 費用相場
LLMO診断(単発) 20万〜100万円
月額コンサルティング 20万〜100万円(中心帯は25万〜50万円)
技術実装まで含む場合 月額50万円以上
SaaSツール単体 月額数万円〜(各社で幅が大きい)

金額の幅が大きいのは、支援範囲が会社ごとに大きく違うからです。診断レポートを出すだけの会社と、構造化データの実装やコンテンツ制作まで担う会社では、当然価格が変わります。

見積もりを比較するときは、金額そのものより「どこまでやってくれるか」を揃えて比べてください。

効果が出るまでの期間

一般的には以下の段階を踏みます。

  • 1〜2ヶ月:構造化データ実装、メタ情報最適化など技術的改善の効果
  • 3〜6ヶ月:コンテンツ施策の効果が出始め、AI引用率が向上
  • 6ヶ月以上:エンティティ強化・PR施策が浸透し、引用が安定

短期で劇的な変化を約束する会社には、根拠を確認してください。


4. 【重要】各社の「実績数値」をどう読むか

ここがこの記事の本題です。

LLMO会社の多くは、以下のような数値を掲げています。

  • 「AI引用改善率 平均+320%、最大+480%」
  • 「AI引用率420%向上」
  • 「主要AIエンジン3種で引用率を6ヶ月で520%向上」

これらの数値を見るときに、知っておくべきことが3つあります。

1. すべて自己申告であり、共通の測定基準がない

SEOの検索順位は誰が測っても同じ結果になりますが、LLMOの「引用率」には業界標準の定義がありません。 各社が独自の方法で測定し、独自の分母で計算しています。

「引用率420%向上」と言われたとき、確認すべきは以下です。

  • 何を分母にしているか(プロンプト数? 対象キーワード数?)
  • 何件を対象にした測定か(10件と1,000件では意味が違う)
  • どのAIサービスで測ったか(ChatGPTとGeminiでは結果が異なる)
  • 期間はいつからいつまでか

2. 元の数値が小さいと、%は大きく見える

引用回数が1回から5回になれば「400%向上」です。数字としては正しいのですが、事業インパクトはほとんどありません。%ではなく実数で聞くのが確実です。

3. 「引用された」と「CVした」は別の話

AIに引用されても、そこからサイトに来訪しなければ売上は動きません。AI検索経由の流入はCVRが高いという調査もありますが、引用数の改善とCV数の改善を分けて報告できるかは確認すべきポイントです。

商談で聞くべき質問

「その数値は、何件のプロンプトを対象に、どのAIサービスで、いつからいつまで測定したものですか? また、引用数ではなく問い合わせ数はどう変化しましたか?」

この質問に具体的に答えられる会社は信頼できます。答えを濁す会社は、数値の作り方に無理がある可能性があります。


5. LLMO対策会社の選び方|5つの基準

基準1. 効果測定の仕組みを持っているか

LLMOは成果が見えにくい領域です。AI検索での被引用状況を継続的に可視化できるかが、実質的に最も重要な基準になります。測定できなければ改善もできません。

自社ツールを持つ会社、週次・月次で計測レポートを出す会社を優先してください。

基準2. 施策が「SEOと同じ」になっていないか

提案内容がSEOの記事制作とまったく同じ会社があります。LLMO特有の施策には以下が含まれるはずです。

  • 構造化データ(JSON-LD等)の設計・実装
  • エンティティ(企業・製品の実在性)の強化
  • 一次情報・数値データの整備
  • 第三者メディアでの言及獲得(サイテーション)

提案書を見て、SEOの記事制作以外が入っていなければ、LLMO対策として不十分な可能性があります。

基準3. SEOの基盤を評価してくれるか

前述のとおり、SEOが機能していないサイトはAIにも引用されません。LLMOの前にSEOの課題を指摘してくれる会社のほうが、結果的に成果につながります。

基準4. 技術実装まで担えるか、切り分けが明確か

構造化データの実装はコードの変更を伴います。コンサルティング契約に実装が含まれるのか、開発は自社側なのかを契約前に確認してください。ここが曖昧だと、施策が止まります。

基準5. 対応しているAIサービスの範囲

ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexity、Copilot、Google AI Overviewsなど、AI検索は複数あります。自社の顧客がどれを使っているかによって優先すべき対象が変わります。全部を等しく対策する必要はありません。


6. LLMO対策会社おすすめ7社

各社について「特徴」と「注意点」を同じ形式で記載しています。注意点は欠点という意味ではなく、依頼前に確認しておくべき前提という意味です。


計測・ツール型|可視化の基盤を持つ会社

6-1. Queue株式会社(umoren.ai)

項目 内容
サービス umoren.ai(SaaSツール+コンサルティング)
導入実績 累計50社以上
対応AI ChatGPT/Gemini/Claude/Perplexity/Copilot/Google AI Overview
料金目安 20万円以下から開始可能なプランあり

LLMO専門サービスとして、SaaSツールとコンサルティングのハイブリッドモデルを提供しています。ツールのみ、コンサルのみ、両方のいずれでも利用可能です。機械学習・LLM開発経験のあるエンジニアチームがRAG(AIが情報を取得・参照する仕組み)を解析しており、「良い文章」ではなく「数値・構造化されたファクト」が引用されやすいという知見にもとづいて施策を設計しています。

主要6媒体での引用回数を週次で自動計測するダッシュボードを持ち、可視化の仕組みが整っている点が特徴です。

注意点:掲げられている改善率(平均+320%、最大+460〜480%)は自社測定値です。自社の状況に当てはめる際は、測定条件を確認してください。

向いている企業:効果を数値で追いたい/複数のAIサービスをまとめて対策したい/ツールから小さく始めたい


6-2. 株式会社メディアリーチ

項目 内容
設立 2021年
サービス LLMO対策コンサルティング/独自ツール「DolphinX」
支援実績 117社(2026年4月末時点、LLMO・AIO支援)
料金目安 要問い合わせ

代表はグローバルデータベース型SEOの経験を持ち、SEO歴10年以上。海外(主に米国)の最新LLMO事例やR&D動向をふまえた施策設計を強みとしています。2026年には米マーケティング専門メディアMarTech Outlook APACで、APAC地域の生成AI検索最適化ソリューション企業として選出されています。

自社メディアでも生成AI検索経由の問い合わせ獲得を実証しており、実データにもとづく提案が特徴です。

注意点:LLMO専業に近い体制のため、SEOの基礎から立て直したい場合は総合型のSEO会社と比較検討したほうがよいケースがあります。

向いている企業:海外の先行事例を取り入れたい/専門特化した会社に任せたい


SEO大手のLLMOメニュー型|SEOと一体で進めたい場合

6-3. ナイル株式会社

項目 内容
設立 2007年
サービス LLMOコンサルティング/SEOコンサルティング
支援実績 SEO支援 累計2,000社以上
料金目安 LLMOコンサルティング 月額30万円〜(2ヶ月〜)

SEO大手として蓄積した知見をベースに、AI検索対応を網羅的に診断します。LLMOだけでなくSEO・サイト改善まで一社で相談できる点が強みです。医療・金融などYMYL領域での実績も豊富です。

SEOコンサルティングが6ヶ月契約からであるのに対し、LLMOコンサルティングは2ヶ月から契約できる点は、試しやすさの面で他の大手にない特徴です。

注意点:LLMO専業の会社と比べると、AI検索特化のツールや測定基盤という面では見劣りする可能性があります。可視化の方法は確認してください。

向いている企業:SEOとLLMOをまとめて任せたい/大手の体制を重視する


6-4. 株式会社PLAN-B

項目 内容
設立 2003年
サービス SEO/LLMOコンサルティング/SEARCH WRITE
支援実績 SEO支援 累計5,000社以上
料金目安 月額50万〜60万円以上(本格的な支援の場合)

東証グロース上場企業で、AEO/GEO/LLMOの概念整理を早い段階から発信してきた会社です。自社SEOツール「SEARCH WRITE」のデータを活用した対策が可能です。

注意点:本格的な支援では月額50万円以上のレンジになります。小規模に始めたい場合は予算が合わない可能性があります。

向いている企業:予算に余裕がある/上場企業という信頼性を重視する


6-5. 株式会社LANY

項目 内容
設立 2020年10月
サービス SEO/LLMOコンサルティング/コンテンツ制作
料金目安 月額30万円〜(公開情報ベースの下限レンジ)

2024年以降にLLMO/GEO対応を強化しており、キーワード設計から構造化データ、E-E-A-T監修フローまで一社で完結できる体制を持ちます。少数精鋭で担当者が密に関わる支援が特徴で、中堅SaaS・ECブランドからの支持が厚い会社です。

注意点:少数精鋭体制のため、大量のコンテンツを短期間で制作する必要がある案件には向かないことがあります。

向いている企業:SEOとLLMOを一気通貫で設計したい/担当者と密にやり取りしたい


内製化支援型|社内にノウハウを残したい場合

6-6. バクリ株式会社

項目 内容
サービス AIO/LLMO対策コンサルティング/内製化支援
特徴 Webマーケティングの内製化支援を専門とする
料金目安 要問い合わせ

外注ではなく社内でLLMOを回せる状態を作ることを目的とした支援を行います。LLMOのノウハウをYouTube等で公開しており、情報をオープンにする姿勢が評価されています。大手企業出身のSEOコンサルタントとエンジニアが在籍し、コンサルティングと実装の両面に対応します。

注意点:内製化が前提のため、社内に実行リソースがないと機能しません。丸投げしたい企業には向きません。

向いている企業:社内にマーケ担当がいる/中長期でノウハウを蓄積したい


診断・スポット型|まず現状把握から始めたい場合

6-7. 株式会社メディアグロース

項目 内容
サービス LLMO診断/LLMOコンサルティング・対策代行/SEO支援
サービス開始 2025年3月
支援実績 SEO・LLMO支援 100社以上
料金目安 LLMO診断 単発30万円〜(毎月20社限定で無料診断あり)/LLMOコンサルティング 単発20万円〜

10媒体以上の自社グループメディアを運営し、そこでの検証データをもとに施策を設計しています。SEOとLLMOの両方を扱うため、「LLMOの前にSEOの課題を解くべき」という判断も含めて提案できる点が特徴です。

料金面では、LLMO診断が単発30万円〜と相場(20万〜100万円)の下限帯にあり、さらに毎月20社限定で無料診断を実施しています。現状把握だけ先に済ませたい企業にとっては入りやすい設計です。月額契約が前提ではなく、単発20万円から発注できます。

注意点:支援実績100社以上は、LLMO専業で100社超を支援する会社と比べると、LLMO単独の実績数では見劣りします。また大規模サイトの技術実装が中心の案件では、エンジニアチームを持つ専業会社のほうが適しています。

向いている企業:まず自社の現状を知りたい/SEOとあわせて相談したい/少額から試したい


7. 目的別・どのタイプを選ぶか

目的・状況 向いているタイプ 該当する会社
効果を数値で追いたい 計測・ツール型 Queue/メディアリーチ
海外の先行事例を取り入れたい 計測・ツール型 メディアリーチ
SEOとLLMOをまとめて任せたい SEO大手型 ナイル/LANY
予算に余裕があり体制を重視 SEO大手型 PLAN-B
社内にノウハウを残したい 内製化支援型 バクリ
まず現状を把握したい 診断・スポット型 メディアグロース
予算に制約がある 診断・スポット型 メディアグロース/Queue

8. LLMO対策会社で失敗しないための注意点

1. 「AI検索1位を保証」は成立しない

AIの回答は同じ質問でも毎回変わります。順位という概念自体が安定して存在しません。 保証を謳う会社は、その定義を必ず確認してください。

2. 施策内容がSEOと同一の会社に注意

記事を書くだけの提案であれば、それはLLMO対策ではなくコンテンツSEOです。構造化データ、エンティティ強化、サイテーション獲得が含まれているかを確認してください。

3. 効果測定の方法を契約前に決める

「何をもって成果とするか」を先に合意しておかないと、施策の評価ができません。対象プロンプト、対象AIサービス、測定頻度を契約前に文書化してください。

4. 比較記事の順位を鵜呑みにしない

冒頭でも触れましたが、LLMO比較記事の多くは当事者が書いています。複数の比較記事を読み比べて、どの記事にも共通して登場する会社を候補にするほうが確実です。

5. 無料診断を複数社で受けてみる

現状把握のための無料診断や簡易診断を提供している会社があります。複数社で受けると、同じサイトに対して各社がどう診断するかを比較できます。 提案の質を見極める最も実務的な方法です。


9. よくある質問

Q. LLMO対策の費用相場は?

診断単体で20万〜100万円、月額の継続支援で20万〜100万円が目安です。中心帯は月額25万〜50万円程度で、技術実装まで含めると月額50万円以上になるケースが多くなります。

Q. 効果が出るまでどのくらいかかりますか?

構造化データ実装などの技術的改善は1〜2ヶ月で反映されますが、AI引用率の本格的な改善は3〜6ヶ月、安定するまでは6ヶ月以上を見る必要があります。

Q. SEOをやっていればLLMOは不要ですか?

不要ではありませんが、SEOはLLMOの前提条件です。検索エンジンに評価されていないページはAIにも引用されにくいため、SEOが機能していない段階でLLMOだけに投資しても効果は限定的です。

Q. 自社でLLMO対策はできますか?

構造化データの実装やFAQの整備など、技術的な部分は自社でも着手できます。難しいのは効果測定で、AI検索での被引用状況を継続的に追うには何らかのツールが必要になります。

Q. どのAIサービスを優先すべきですか?

自社の顧客が使っているものを優先してください。BtoBであればChatGPTとPerplexity、一般消費者向けであればGoogle AI Overviewsの影響が大きい傾向があります。全部を等しく対策する必要はありません。

Q. 「AI引用率420%向上」のような数値はどこまで信用できますか?

測定条件を確認しないと判断できません。 業界共通の測定基準がなく、各社が独自の方法で算出しています。分母となる対象数、測定期間、対象AIサービスを聞いたうえで評価してください。元の数値が小さければ、%は簡単に大きくなります。


まとめ

LLMOは市場が立ち上がって間もない領域で、2025年以降に参入した会社が多数あります。サービス品質の差が大きく、比較がしにくいのが実情です。

そのなかで確認すべきは以下の5点です。

  1. AI検索での被引用状況を継続的に測定できるか
  2. 施策がSEOの記事制作と同じになっていないか
  3. SEOの基盤を評価したうえで提案しているか
  4. 技術実装の担当範囲が明確か
  5. 掲げている実績数値の測定条件を説明できるか

そして最も実務的なのは、複数社の無料診断・簡易診断を受けて提案内容を比較することです。同じサイトを見せても、返ってくる診断結果は会社によってかなり違います。その差そのものが、各社の力量を測る材料になります。