1983年にJourney(ジャーニー)が発売した,彼らの8thアルバム「Frontiers(フロンティアーズ)」は,全米チャート2位を9週保ちました。
ちなみに1位はMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)の「Thriller(スリラー)」。
イギリスのチャートでは,6位に達し,彼らにとっては,これがイギリスでの最高位となりました。
このアルバムからは,4曲がシングル・カットされ,2曲が映画用に使われています。
今日は,このうちのアルバムのオープニングを飾る曲「Separate Ways (Worlds Apart)(セパレイト・ウェイズ)」の紹介です。
おっとその前に
ジャーニーは,1973年,Santana(サンタナ)のメンバーであった,ギターのNeal Schon(ニール・ショーン)と,キーボードのGregg Rolie(グレッグ・ローリー),そしてベースにRoss Valory(ロス・ヴァロリー)を迎え結成された,当初はインスト主体のプログレッシブ・ロックバンドでした。
アルバムを3枚出すも商業的な成功に結びつかず。
といっても,この3枚だけのバンドと思って聴くと,特に1stなんかロック風味のジャズ・フュージョン・アルバムとして面白く聴けるのですが。
なので,ここだけの特集をいつかしてみたいな。
レコード会社は,Foreigner(フォリナー)やBoston(ボストン)のような売れる路線のアルバムを作れと,マネージャーをつっつきます。
そこで,看板ボーカルとして2代目になる(初代は3ヶ月程度で解雇),Steve Perry(スティーヴ・ペリー)を入れて1978年に4thアルバム「Infinity(インフィニティ)」を制作。
ドラムを,Steve Smith(スティーヴ・スミス)に交代して1979年に,9thアルバム「Evolution(エヴォリューション)」を,80年に10thアルバム「Departure(ディパーチャー)」と映画のサウンドトラックとなる11thアルバム「Dream, After Dream(邦題:夢,夢のあと))」を発表します。
バンドは,この時期のアルバム「ディパーチャー」に伴うツアーを録音し,1981年に「Captured(邦題:ライブ・エナジー)」として発売します。
ジャーニーでの,グレッグ・ローリーのキーボードが聴ける最後のアルバムとなりました。
このライヴ,すごく音も演奏もいいのでお勧めします。
80年代のアルバム発表後,キーボードが,The Babye(ベイビーズ)のJonathan Cain(ジョナサン・ケイン)に交替し,これで黄金期のメンバーがそろいます。
1981年に12thアルバム「Escape(エスケイプ)」で全米1位を獲得。
名曲「Open Arms(オープン・アームズ)」は,映画「海猿」で日本でも人気が出ましたね。
そして,今日の主役「フロンティアーズ」の登場となります。
ここでいったん今日の1曲である「セパレイト・ウェイズ」を当時のミュージック・ビデオでご覧下さい。
こんなにいい曲なのに,このビデオ。史上最悪のビデオの一つと言われています^^
このビデオじゃ,音なんか頭に入ってきませんよね^^;
ということで,同じ83年の東京公演のライヴ動画で目の保養をしてください。
と,ここからは,ちょっぴりマニアックなお話に。
なぜ,このライヴ動画を紹介したかというと,この曲での彼らの演奏は,スタジオ盤とほぼ同じ演奏をしているということを観ていただきたかったんです。
これは,この後のライヴでも同じです。
ボーカルのメロディーラインはほぼ崩してませんし,ギターソロもほぼ踏襲,ドラムのフィル・インもです。
彼らほどうまいミュージシャンが,なぜ原曲のままに演奏し続けたのでしょう。
聴き手の原曲のイメージを壊したくなかったのでしょうか。
「できない」と「やらない」は別ですよね。
ギターソロも含めて,スタジオ盤の通りに聴きたいというファンは意外と多いようです。
私は,今度はどこを変えてくるんだろう,とか,どんなソロを聴かせてくれるんだろうって方がライヴは楽しめると思う派なのですが。
でも,スタジオで音に懲りすぎて再現できない,というならともかく(それもどうかと思うけど),スタジオ盤と同じように演奏したいけど,ライヴじゃ同じようにできないってプロを名乗る下手なバンドがどれだけ多いことか。。。
あ,つい感情がそのまま^^;
この前年,つまり1982年に「セパレイト・ウェイズ」をライブで演奏している動画がありました。
まだスタジオ録音していない頃です。
スティーヴ・ペリーは「2週間前に作った曲だぜー」って言ってますね。
ここでは,メロディーラインがまだ完成形になってないこと,ギターをまだ自由に弾いている,ドラムがほぼリズム・キープのみに徹し
ているなど,スタジオ録音前の違いを楽しむことができます。
そして,この後のジャーニーは。。。
商業的には大きな成功はありませんが,メンバーをとっかえひっかえ,活動は続けています。
それでは,スティーヴ・ペリーの声のそっくりさんとして雇われたフィリピン人シンガーArnel Pineda(アーネル・ピネダ)が歌う,「セパレイト・ウェイズ」の2008年のライヴでご覧下さい。ドラムは,2000年から2015年まで在籍したDeen Castronovo(ディーン・カストロノヴォ)です。