1981年に発売されたGino Vannelli(ジノ・ヴァネリ)の7枚目のアルバム「Nightwalker(ナイトウォーカー)」は,AOR風のおしゃれな感覚を身にまといながらもハードな音がかっこよく,そこに彼の澄んだよく通るとても声量のあるボーカルがぐいぐいと聞き手を圧倒させるアルバムでした。

私的には,自由に暴れ回りながら,全体をしっかり掌握しまとめているドラムの音もよかったです。

なんといっても若きVinnie Colaiuta(ヴィニー・カリウタ)ですから。

このブログでは,一度もちゃんと紹介していませんが,何度も名前が出ているFrank Zappaのオーディションを勝ち抜いたドラマーなので,そのテクニックは折り紙付きです。

このアルバムで,私はジノ・ヴァネリを知ることとなりました。


ジノ・ヴァネリは,1952年に生まれたイタリア系カナダ人のロック・シンガーであり,ソングライターでもあります。

お兄さんでキーボード奏者兼アレンジャーのJoe Vannelli(ジョー・ヴァネリ)は,彼のアルバムを作成する際のキーマンでもあります。

1972年に二人はロサンゼルスに引っ越し,先日紹介したA&Mのスタジオ外の駐車場で何時間も待って出てきたHerb Alpert(ハーブ・アルパート)に,警備員に追われながらもなんとかデモテープを渡したこと1973年に契約に至り,1stアルバム「Crazy Life(クレイジー・ライフ)」を出すことになりました。

彼は納得のいくまでアルバムを作り込むため,その完成度はどのアルバムも高い物なのですが,なかなか商業的には結びつきませんでした。


それが,1978年のアルバム「Brother to Brother(ブラザー・トゥ・ブラザー)」からのシングル「I Just Wanna Stop(アイ・ジャスト・ワナ・ストップ)」で,全米4位を記録したのです。

それでは,この名バラード「アイ・ジャスト・ワナ・ストップ」をお聴き下さい。

 


アリスタに移籍して初のアルバム「ナイトウォーカー」は,アメリカで41位に達し,その中のシングル「Living Inside Myself(リヴィング・インサイド・マイセルフ)」は6位まで上昇しました。

その「リヴィング・インサイド・マイセルフ」も切々と歌い上げるのですが,かっこいいという表現がよく似合うバラードです。

 


それからの彼は,ジャンルにとらわれず,自分がその時に出したい音をアルバムとして作成するため,また商業的な成功とは縁遠くなってしまいます。

今年4月「Wilderness Road」というアルバムを発表し,まだまだ衰えない彼の歌声に元気をもらえています。


やはり最初の出会いは大事ですね。

ということで,今日の最後に,私が一番印象深い「ナイトウォーカー」の1曲目である,アルバム・タイトル曲をお聴き下さい。

 

 

 

 

ここまででジノ・ヴァネリかっこいいって思って下さった方に,今日のおまけ。

 

長い曲なんだけど,とにかく彼の魅力がぎっしりつまった1曲。

 

2015年のLive in LAから,「ブラザー・トゥ・ブラザー」をご覧下さい。

最初に紹介されるのがお兄さんのジョー・ヴァネリです。