生まれながらのピアニストっているものです。
Gabriela Montero(ガブリエラ・モンテーロ)は,1970年にベネズエラで生まれたピアニストです。
7ヶ月でおもちゃのピアノを与えられると,2歳を迎える前に自分で,母親に毎晩子守歌代わりに歌ってもらっていたベネズエラの国歌のメロディの音取りをしていました。
4歳からピアノのレッスンを受け始め,9歳の時にハイドンのピアノ協奏曲でオーケストラと共演している動画も見られます。
その後,ベネズエラ政府から「アメリカで勉強しておいで」と,奨学金を得ています。
彼女の持ち味は即興演奏にあります。
その即興は,ジャズ的なものではなく,クラシックのスタイルを守ったままのものです。
それってどんなものか,ここで,1曲お聴き下さい。
2008年のアルバム「Baroque Improvisations(バロック・インプロヴィゼーションズ)」から,パッヘルベルのCanon(カノン)をモチーフにしたインプロヴィゼーションです。
耳に馴染んだ曲が美しさを保ったまま思わぬ変化を遂げるのは楽しいものです。
純粋にクラシックのみ好きな方って,こういうのはどう思うのでしょうか。
クラシック専門誌「音楽の友」では,当時なかなかいい評価でしたが。
話は前後しますが,この彼女の即興演奏は,Martha Argerich(マルタ・アルゲリッチ)に認められ,彼女が主催するコンサートでも毎年共演を求められるようになりました。
また,2009年のオバマ大統領の就任式では,Yo-Yo Ma(ヨーヨー・マ)等との演奏を披露しています。
彼女は,普通のクラシックの演奏以外に,ステージで,観客からお題をもらい,そこから即興演奏を綴っていくというコンサートスタイルも持っています。
その様子がわかりやすい動画がありましたので,ご覧下さい。
「Gone with the Wind(邦題:風と共に去りぬ)」からのインプロヴィゼーションです。
頭の中に次から次とアイディアがわいてくるのを押しとどめられないって感じの演奏ですよね。
それでは最後に,2006年のアルバム「Bach and Beyond(バッハ・アンド・ビヨンド)」から,Toccata and Fuga(トッカータ・アンド・フーガ)からのインプロヴィゼーションをお聴き下さい。