先日の Moving Pictures(ムービング・ピクチャーズ)の記事を書いていて,
オーストラリア?
サックス?
となったら,頭に浮かんで離れなくなったバンドがこれでした。
Men At Work(メン・アット・ワーク)は,1979年にメルボルンで結成され,自費制作のシングルを1枚出した後,1981年にCBSレコードから1stシングル「Who Can It Be Now?(邦題:ノックは夜中に)」をオーストラリアで発表し大ヒット。
同じ年,1stアルバム「Business as Usual (邦題:ワーク・ソングス)」,2ndシングル「Down Under(ダウン・アンダー)」を出し,これも大ヒットとなるが,アメリカではアルバムの発売ができませんでした。
翌1982年にアメリカでアルバムが発売されると瞬く間にヒットチャートを駆け上がり,その人気は世界へと広がり,1983年のグラミー賞では,Asia(エイジア)やThe Human League(ヒューマン・リーグ)等をおしのけて最優秀新人賞を受賞しています。
それでは,このサックスのイントロが忘れられない最初のシングル「ノックは夜中に」をご覧下さい。
バンドの勢いのまま1983年にはアルバム 「Cargo(カーゴ)」を発表し,ヒットはするものの,バンドのメンバーが分裂する中,中心メンバーは,セッション・ミュージシャンを使って3rdアルバム「Two Hearts」を1985年に発表するものの売れずにバンドは解散となります。
1985年7月13日,そうですね,あのLive Aid(ライブ・エイド)のあった日です。
このライブ・エイドの公演の一環として,オーストラリアでは Oz For Africaというコンサートが開催され,彼らもその中のバンドの一つとして参加して3曲演奏し,その様子はライヴ・エイドの放送に中継されました。
ここでは,その演奏からアルバム「カーゴ」に収録された「Overkill(オーバーキル)」を,また未発表曲「The Longest Night」をご覧下さい。
一度は解散したものの,2000年のシドニー・オリンピックでの閉会式でパフォーマンスを行うなど,不定期な活動は行うものの,その後,活動停止の決定的な出来事が起きることとなります。
今では,バンドの名前よりも曲名の方が有名になってしまったような「ダウン・アンダー」ですが,この曲のフルートの演奏パートが,オーストラリアの子供の愛唱歌 「Kookaburra Sits In The Old Gum Tree」の盗作だと訴訟が起き,2010年の判決で盗作が確定され,著作権を有する会社に,過去6年間の印税の支払いを命じられます。
これにより,バンドの中心メンバーであり,フルートやサックスを演奏していたGreg Ham(グレッグ・ハム)は,自分は今後,盗作者としてしか認められないだろうと心を痛めたまま,2012年に心臓発作により死亡しています。58歳でした。
そんな悲しい結末ではありますが,最後は,彼らの最大のヒット曲「ダウン・アンダー」をご覧下さい。