地元の駅前にある電気屋のビルの,7階のフロアが比較的大きなレコード屋さんでした。
月に1度か2度,そこで面白そうなレコードを探すのが楽しかった時期です。

白いダンボールにカラーコピー用紙がジャケット代わりのブート盤レコードの存在もそこで初めて知りました。


レコードの並べ方ってCDと違って,棚にストックしていくような感じ。
一つの棚のレコードの束?を手前側に倒し,奥の方から1枚ずつ3分の2くらい持ち上げてジャケットを見てはそのまま落としと,次のレコードを持ち上げと手前側にストンストン繰り返すのが気持ち良く^^


そうやっていくつもの棚を順に見て行くと,目を惹くものが物が出てきます。
その時はじっくりとジャケットを観察し,中の解説書を取り出して読み,それでどうしても気になると,レジの横のレコードプレーヤーでかけてもらいます。
店内に自分が聴いてみたいレコードの音が大きな音で流れるのが気恥ずかしくもあり。


だって,当時はパソコンも携帯もない時代。
頼れる物は,ミュージック・ライフか音楽専科。月刊FMだったかな。
そしてラジオは大事でしたね。
国内FMでアルバム1枚丸ごとかけてくれる番組は助かりました。
雑誌の番組表にはそのアルバムの合計時間が載っているので,それに合わせた長さのカセットテープを用意し,ラジカセの録音ボタンを押すタイミングにドキドキしつつ。
他には,短波放送でアメリカやイギリス,オーストラリアなどの放送を聴き,拙い英語能力でなんとかバンド名や曲名を聞き取りなんてくらいしか,情報がありません。


そんな生活をしていた1976年の暮れが近かった頃。

いつものようにいつものレコード屋さんでレコードをあさっていた時。



きゃりおま~いうぇ~いわ~さ~~~ん♪



アカペラのハイトーンの力強いボーカルとコーラスに続き,いかにもハードロックなギター,重厚なドラムとベースに乗ってキーボードの音が響き。

キメのアンサンブルもコーラスもかっこよく,曲調が快く展開していく曲にいっぺんに耳が奪われてしまいました。

ハードロックと,プログレッシブロックのいいところだけ取り出したような楽曲。


しばらくはその場から動けず,2曲目,3曲目と続いた時にはもう我慢できなくなっていました。

レジの横でかかっているレコードのアルバム・ジャケットを見ると,すぐ,これ下さいと,お店の人にねだって購入。


「いいでしょ,これ」と顔見知りの店員さんが会計をしながら声をかけてくれたのを覚えています。


これがアメリカン・プログレ・ハードのKANSAS(カンサス)との出会いでした。


駅前から家に帰る最短距離のバスに乗り(家に帰るには4系統のバスがあった),わくわくして家に帰ったのは今でもその時の気持ちが新鮮に思い出されます。


カンサスは,今でも心躍るバンドです。
メンバーが大幅に変わっても当時の音を再現し,古さを感じさせない数少ないバンドの一つかなと思います。

このKansas(カンサス)についても,このアルバム Leftoverture(邦題:永遠の保曲)についても後日あらためて紹介できればいいなと思っています。


この前,クイーンの記事を書いてから,どうしても書きたかったカンサスとの出会いを書いてみました。

こんな思い出話におつき合いいただきありがとうございました。

それでは,当時の中学生の心を鷲づかみにしたこの曲をお聴き下さい。

カンサスの永遠の序曲から Carry On Wayward Son(邦題:伝承)です。