はい,昨日の続きです。
今回はマジメに^^;
川口千里は,
5歳の頃に父親に買い与えられた電子ドラムをきっかけにドラムを始め
8歳の頃から,
手数王として知られる菅沼孝三というドラマーに師事して腕を伸ばし,
2010年には「ドラムワールド」というサイトで,
世界500人のドラマーの1人として選出され,
アジア人女性ドラマーとしては初ということでも話題になった人です。
このときの年齢,わずか13歳。
彼女の子どもの頃の発表会をまとめた動画も見ることができますが,
正直それほどすごいと思うほどでもありませんでした^^;
彼女は,幼少の頃から基礎を学んだだけあって,
非常に基本に忠実な叩き方をしています。
どんな早い動きでも乱れることなく,
かっちりとまとめて見せるところは
基本の大切さと,練習量の多さを感じさせるところです。
おそらくテクニック面では,
すでに完成系と言えるのではないでしょうか。
よく菅沼孝三のコピーと揶揄される書き込みも目につきますが
もちろん菅沼さんを師匠とするので似るのは当然のこと。
それでも自分のフレーズをしっかりと持ち,
一聴して彼女とわかるフレーズも
できあがっています。
こんな10代にして名声を高めてしまった彼女ですが,
最近気になることもあります。
それは,ここ1~2年の動画を見るとわかるのですが,
彼女の叩き方に変化が見られなくなってきたことです。
個性の定着と言えば聞こえはいいのでしょうが,
一種マンネリ感がつきまとうのです。
彼女は様々なジャンルのミュージシャンとプレイし,
様々なジャンルの音楽を演奏しているわけですが,
ある一つのジャンルの中で見ていると「すごいな」
と思わせてくれても,
続けて他のジャンルのプレイを見ると
「あれ,さっきと同じフレーズが」と思うことがほとんどです・
これを個性ととらえるか,マンネリととらえるか。。。。。。
彼女のプレイスタイルは,
音の隙間を太鼓とシンバルの音で埋めようとするように
とにかく手数を多くするタイプ。
これでは常に柔軟な想像力がなければ行き詰まること必至ですね。
その点,師匠の菅沼孝三のプレイは,
同じ曲を叩いても,自分のドラムプレイだけで
まったく違う曲に聞こえさせるほど変化に富んだプレイをしています。
手数の多さだけでは師匠を抜いた感のある彼女ですが,
プレイの幅という点では
ここで立ち止まってしまうのは惜しいところです。
誰もが認める世界のトップドラマーに上りつめた神保彰も,
デビュー当時は手数の多さが評価の対象となり,
目立っていました。
しかし,
彼のイマジネーションは現在に至っても,広がりが止まりません。
彼女が本物のプロとして世界を揺るがし続けられるか,
このまま珍しさだけで埋没してしまうのか,
今が正念場なのでしょうか。
まぁ,大学受験を控えてたとあっては仕方ないのかな
と思ってあげたいんですけどね。
なんにしろ,今後の動向が気になる彼女ではあります。
昨日のブログに「日本人の哀しさ」についても書きたい
と書いてしまったので最後にさわりだけでも。
彼女の動画のコメント欄を見ると海外からの賛辞が多く目につきます。
よい物をよいと認められる心の広さは大切だと思っています。
しかし,
日本人のコメントは批判のコメントがひどいものが多いのです。
的を得た批判であれば大切なことでしょうが,
明らかにただ目立つものを排除したい。
出る杭を打ちたい。とそんなコメントが心を暗くさせます。
彼女の過去を知らず,たった一つの動画を見て,
妙に上から目線でコメントし,
無知ぶりを発揮する人達のなんと多いことか。
感じたことを素直に表現するのは間違いだとは思いませんけどね。
世界の人達に日本人がおバカだという
レッテルを貼られないような表現でお願いします。。。
ピグの音楽フロアでも似たようなことはありますけどね^^;
と,長い文章をお読みいただきありがとうございました。
最後に彼女の動画と,私がこれまでに聴いてきた中で
本当に心を打たれたドラムの神様スティーブ・ガッドの
1978年のライブで収録されたドラムソロをご紹介して
終わりにしましょう。なぜ,この二つを並べて紹介するのか。
意図を理解していただけたら嬉しいです。