廣津野神社


紀伊国牟婁郡
和歌山県新宮市新宮
(「新宮警察署」の県道231号線を挟んだ道路向かい)(P無し、駐車は下部写真参照)

■祭神
高倉下尊
八百萬神


新宮市街地の南端、丘陵を背後にした地に鎮座する社。一般に「広角(ひろつの)」と呼ばれているようです。海岸からは最短で300mほど。
◎創建由緒等に関する資料は見当たらず不明。「新宮市史」にある廣津野満山社、祭神八百萬神というのが当社のことのようです。
◎「熊野巡覧記」(寛政六年 1794年)には、「新宮を去る事半里 廣津野という里有 名所也」と。また「山越て廣津野濱の岩津ヽじ 又こんまで八莟でそ有レ」(また来るまで岩ツツジがつぼみであればな…)という平清盛の和歌があるようです。平安時代から名所として知られたようです。
◎またその書は、「是より濱邊通る 小き山の尾崎ヲ登り下る也 其山崎ニ御手洗といふ所有 盥(たらい)の如き石三ツ有 昔の順路にて胎内潜といふ岩穴なと通りしと有リ 今ハ其上の山を通るなり」と記しています。
現在もその盥状の三体の石や胎内潜の岩穴が有るのか不明。おそらく現在の「御手洗海岸」と呼ばれる辺りで、神武東征において神倭磐余彦命が丹敷戸畔を討った際に、手に付いた血を洗い流したとされる伝説地かと思われます。開発等で地形が変わったためか、当社から海を望むことはできません。


車はここに停め置きました。短時間の参拝なら致し方なかろうかと…。