飛瀧神社 (那智大社別宮)
(ひろうじんじゃ)


紀伊国牟婁郡
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山2
(周辺に有料P有、500円~近いところは800円、いずれも10~15分程度の急な石段を登る必要有、買い物や食事をするとP無料になる店がいくつか有り)

■祭神
大己貴神


日本三名瀑の一、「那智御瀧」を御神体とする社。社殿は無し、瀧そのものを直接拝する格好に。熊野那智大社の別宮となっています。
◎「那智御瀧」は高さ133m、銚子口幅13m、滝壺深さ10m、水量は毎秒1tもの巨大な瀧。
「大取雲連山」を源流とします。山中には「那智四十八瀧」と称されるほど数多存在し、最大のものがこの「那智御瀧」。上流には「二の瀧」「三の瀧」があり、三つの瀧の総称が「那智御瀧」。
◎ご祭神の大己貴命は神武東征に由来しています。神武軍は「丹敷浦」(現在の那智の浜か)に上陸、そこで輝く山を見つけ進軍していくと見つけたのが「那智御瀧」。そしてその瀧を御神体として、なぜか大己貴神を宛てがったようです。
天孫族が国津神を崇めるなどということはあり得ず、これは後世の付会。原初は自然神であったかと思います。
◎平成二十三年(2011年)に「紀伊半島大水害」が起こり、那智勝浦町の33名を含む56名の死者が出ました。「那智山」麓の民家は100軒ほどでしょうか、うち残ったのは数件のみ。他は全て流されました(災害当時の写真を所蔵しており、いずれ記事として上げたいと思います)。
御瀧の姿そのものは変わっていませんが、滝壺下の落石は大きく積み上がりました。

*写真は過去数年に渡る参拝時のものが混在しています。




何千箇所という神社の石段を登り降りしていますが、当社の石段は格上のもの。一段一段踏むごとに大地が揺れるような錯覚を覚えます。踏面と蹴上の黄金比なるものがあるのでしょうか。






「紀伊半島大水害」前はこれほども落石が積み上がっていなかったと記憶しています。



青岸渡寺の境内から「那智御瀧」を。パンフや絵葉書などによく使われるアングルです。

参道では野生鹿がよく出没します。今回初めて写真に収めることができました。