阿奈志神社


若狭国遠敷郡
福井県小浜市奈胡字宮の脇62-27
(境内に駐車可)

■延喜式神名帳
阿奈志神社の比定社

■旧社格
村社

■祭神
大己貴命


小浜市郊外の農村である奈胡集落の外れにある寂れた古社。山裾に鎮座しています。
社名からおそらくは「穴師」系の神社であり、兵主神を祀っているものと考えられています。兵主神は天日矛神、または宿敵であった大己貴神のどちらか。大己貴神とする多くは、天日矛神から祭神変えが行われたとするなら、やはり天日矛神ということでしょうか。
天日矛神が辿った痕跡を探ると、瀬戸内海から上陸して当地に至ったのか、あるいはその逆を辿ったのか。非常に興味深いところです。
「穴師」は製鉄氏族とされ、鉱脈を求めて各地を転々としています。「遠敷(おにゅう)」という地名が「丹生」からの転化と考えるのであれば、当地がその一大産鉄地帯であったのでしょう。
なおさらに麓には姫宮神社が鎮座していますが、往古は当社の境内社だったのでないかと考えられています。また1kmほど離れた南東に同じ姫宮神社が鎮座しており、両者ともに高照光姫神が祀られています。



一の鳥居。この前に数台停められるスペースがあります。

舞殿


ご本殿脇に豊受大神。少々可哀想なお姿で祀られています。