真空管ヘッドホンアンプ:東京SOUND Valve X | ZEL's:写真とジオラマとプラネタリウム

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趣味は写真、プラネタリウム巡り、科学施設巡り、ジオラマ初心者、フィギュアスケート観戦、かつてはゲーム音楽の作曲も。
2021/8月にこのブログを開設。

もうひとつの真空管機器は、ヘッドホンアンプ。

東京SOUND Valve X。

のちに「SE」が発売されたようですが、これは初代の無印。

 

 

中が薄っすら見えるようにアクリル板が付いていますが、板がダークなのが残念。

せっかくの真空管がよく見えません。

中はこうなっています。

 

 

使われている真空管は 12AU7。左右チャンネルに1つずつです。

真空管ですので、動作中は光ります。

(長時間露光しています。実際にはここまで明るくは見えません)

 

 

楽曲制作はほとんどヘッドホンで行っているので、ヘッドホンの音質が重要です。

昔は「わざわざヘッドホン用にアンプなんて必要なの?」と思っていました。

大抵の機器にはヘッドホン端子が付いているのだから、それで十分と。

 

ところが、CDプレーヤーとメインアンプで交互に、それぞれのヘッドホン端子を使っていたときに気づきました。

「音が違う!」

CDプレーヤーのヘッドホン端子は、メインアンプに比べて薄っぺらい迫力のない音だということに。

メインアンプはサンスイ AU-α607NRA。おそらくサンスイの技術者はそれなりの回路をヘッドホン端子にも提供していたのだと思います。

 

このときから、ヘッドホン端子に疑問を抱くようになりました。

調べてみると、ヘッドホン端子はかなり簡易的に作られていることが多く、これでは残念な音を聴いているということがよくわかりました。

じゃあヘッドホンアンプを購入しようとなったのですが、もともと昭和レトロ好きだったので、「どうせなら真空管で聴きたい」。

そこで購入したのが Valve Xです。

 

この Valve Xも購入してから15年以上経過。

音にノイズが混ざるようになってしまいました。

真空管の劣化かもしれない。ということで、真空管を交換することに。

使われていた真空管は、ユーゴスラビア Ei製12AU7EG。

 

 

秋葉原に遊びに行ったときに、たまたま見かけたお店に入ることにしました。

「アポロ電子」さん。路地裏のちょっと入りづらい感じのお店ですが、真空管専門店で有名です。

12AU7 といってもメーカー違いがいろいろあり、値段も違います。

正直、どれがいいのか全くわかりません。

悩んでいたところ、お店のスタッフの方が「聴き比べ」させてくれることに。

 

確か、NEC、東芝、シーメンス のあたりの3種を聴き比べしたように思います。

Valve Xを持ち込んだわけではないので、もちろんお店のアンプで。

「同じ 12AU7なら、安いのでいいじゃん」と思っていましたが・・・

 

聴き比べてみると、予想以上に違いました!!

音のクリア感、中低音など。

 

一番クリアで抜けのよかったシーメンスの管を買うことにしました。

結局シーメンスが一番高かったのですが・・・気にいったのだから仕方ありません。

 

 

さて帰って、付け替えてみると・・・

 

ビックリ!!

本当に全然違います。

もとの Ei製に比べて、音の太さ(中低音の充実度)が段違いです。

音にザラつき感が全くなく、安定。無音時も極めて静か。

真空管だけでこんなにも変わるのかと、驚きました。

(そして、今まで残念な音でずっと聴いていたことにもショック)

 

純粋に音質だけ求めるなら、今は安くて性能の良いヘッドホンアンプがいくらでもあります。

しかし真空管が淡く光ってるのを見ながら音楽を聴く、というのがなんとも良いのです。