苫小牧市科学センター(北海道苫小牧市)。
宇宙好きなら絶対に一度は行かなければならないところです。MUSTです。
なぜなら、ここには本物があるからです。
本物の宇宙ステーション、ミール実機。
「本物って、どういうこと?」
レプリカではない、ということです。本当の本物。
しかもこれ、世界でここにしかないのです。ロシアにすらない。
もう宇宙に行ったほうのミールは2001年に南太平洋上に落下していますから、ミールはこれしかありません。
貴重なんてものではない。唯一無二。
なぜそんなものがここにあるのか?あとで書きます。
中にも入れます。
これは操縦席。
ロシア映画「サリュート7」にサリュートの操縦席が出てきますが、そっくりです。
宇宙では重力がないので、椅子もこんな簡易でいいんですね。
こちらは計器類。ビデオテープがはめ込まれているのが時代ですね。
これはミールとクバント(天体物理観測モジュール)の間のポートだったような?
トイレ。
いやー宇宙でのトイレはあまり気持ちのよいものではなさそうです。
こちらはプライベートルームとのこと。
ベッド。というか寝袋ですね。
重力がないので、方向はどちらでもいいと。
これは水の蛇口だそうです。
こちらは圧力配管のモニタ?
命に関わることなので、視覚的にすぐにわかるようになっているのでしょうか。
スイッチばかりで申し訳ありません。スイッチ大好きなのでつい撮ってしまいます。
こちらはクバント側の操縦席。
こちらもスイッチ類。
КОНТР СИГНАЛ・・・コントルシグナル、制御信号でしょうか。
(注:ちゃんと調べたら、カウンター信号とのことでした)
私、大学の第二外国語がロシア語だったので、ロシア文字は発音できます。意味まではわかりませんが。
МИР(ミール)、СОЮЗ(ソユーズ)などもそのまま読めるので、宇宙好きとしては少し得をしています。
これ、アポロでいうところのAGC(アポロ誘導コンピュータ)っぽくないですか?
こちらは作業服。
秋山宇宙飛行士の当時の映像も見られます。
これはミールとは直接関係ないですが・・・
NASAのセンスって最高ですね。
最後にミール、クバントの雄姿を。
裏側から。この角度、気に入ってます。
さて、このミール実機がここにある理由です。
このミールは、予備機として作られたもの。
ミール、というか宇宙機のほとんどは同じものを2つ作ります。打ち上げ失敗などで喪失する可能性があるため。
だから本物なのです。
元は、1989年「世界デザイン博」(名古屋市)に出品されたものでした。
(私も行った記憶があるのですが、このミールを見たかどうか覚えていません)
当時はバブル真っ只中。イベント会社がお金にモノを言わせてロシアから借りて持ち込んだのでしょうか。それともロシアにもお金があったのでしょうか。
その後、ロシア連邦宇宙局がオークションに出品。イベント企画会社・堀江企画が落札。
そして岩倉建設(本社・苫小牧市)が再購入し、1998年に苫小牧市に寄贈。
という経緯だそうです。
バブルがあったから日本に来たわけで、時代の偶然ですね。
日本人としては、こんな貴重なものを見ることができて、とても幸運です。
<訪問日:2017年11月>