ゴマンといるアカペラグループの中で、なぜ彼らがブレイクできたか…?
今回はその答えを僕なりに分析してみようと思います☆
彼らがこんなに爆発的人気を得た理由、それは、PTXのやっているアカペラのスタイルが『コンテンポラリーアカペラ』スタイルのもう一つ先にある新しいスタイルで(まだそのスタイルを表現する言葉がないので、抽象的になりますが)、そのスタイルがいわゆる従来の【アカペラサウンド好き】ではなく、一般リスナーのニーズと合致したから…だと僕は考えます。
※コンテンポラリーアカペラの説明はその1で☆
ここでサマソニの話に戻ってきますが、サマソニで国内外問わず様々なアーティストを見ていて、今をときめくアーティストたちのサウンドに共通しているのは、
【エレクトロサウンド】【4つ打ち強めの踊れるビート】【ベース、ドラムを起点にした音作り】
でした。
まぁもちろん『サマソニ』というフェスの特色もあるのでしょうが…
あんまり【生楽器の良さ、温かさ】【アコースティックサウンド】などは感じ取れませんでした。
おそらくこのサウンド感が、今のニーズなんだと思うのです。
では、
そこへきてのPTXのサウンドですが、まず彼らはアカペラグループ…というよりは『ボイスバンド』というイロがとても強いです。

アカペラのバックコーラスというパートの良さはその温かみ、深みなんかではない…
バックコーラスが、他のどの楽器にも真似できない強味…それは、楽器の音と、言葉をともなった歌を自由に行き来できることだ…
これが、新しいスタイルのアカペラの概念です。
そしてPTXはそのアカペラコーラスの強みを最大限に利用しています。
コーラスであれば、生楽器であろうが電子楽器であろうが、それを声で表現しているパートは、自分の最もいい声の響きや倍音、歌唱のニュアンスを殺してまでも、キッチリ楽器になりきる。
それにより、全員が歌になったときのパワーを効果的に引き出しているのです。
全員が常に歌、ということがアカペラのアコースティックなサウンドだとすれば、PTXの従来のアカペラバンドにはないエレクトロバンドライクなコーラスサウンドは、ニーズに合致していたといえます。
『アカペラはベースもドラムもバックも声だから、楽器の音より温かい。これがアカペラの良さ』
というところから一つ進んだ、
『声の柔軟性と無限の可能性を最大限に活用できる音楽、これがアカペラの良さ』
これが、これからのアカペラの概念になってくるのではないかと思います。
日本でも、声のそういう使い方をできるグループが今後生き残っていくのではないかと。
PTXのベース、ボイパについては、またおってその3でお話できればと思っています。
そういう点も踏まえて、改めてPTXを聴いてみるのはいかがでしょうか?
Pentatonixで『Starships』
