この携帯型碁盤を製品化するためには?と検討を始めたのは2年ほど前のことです。
その後、実現に向けて具体化したのはコロナ禍の少し前のことでした。


アクリル板を加工できないだろうか?なども検討しましたが、やはり、耐久性のある
素材というと、合成樹脂で作るしかなさそうです。


それには、まずは金型が必要とのことです。しかも一つの金型を作るのに、「150万
円から200万円
ほどかかるかもしれない!」というのです。
これまでの携帯型の碁盤は、それぞれのかみ合わせが1枚ずつ微妙に異なっています
ので、4種類の金型が必要です。となると合計600万円以上です。私たちには、どうに
手がとどかない金額ショボーンです。

何か良い方法はないものかと、プロジェクトの仲間に相談したところ、早速プラスチ
ック加工会社のSさん
を紹介していただきました。
Sさんは、点字器などの視覚障碍者のプラスチック製品を作っている加工会社の方で
す。
何も知らない私は、「金型を使わずに、プラスチック加工はできないものか…?」な
ど、無茶ぶりというか、ダメもとで相談してみました。

何てラッキーなことがあるのでしょう!私たちに女神が微笑んでくれたのです。
しばらく経ったある日のことです。
「1枚のピースで、それを組み合わせることで、19路盤ができそうですよ!」ニコニコ と言う
のです。
私は半信半疑でした。ところがその説明をよくよく聞いてみると、確かにできるんで
す!本当に驚きです。
金型が1枚で済むのなら、経費的には何とかなるかもしれません。心の中でガッツポー
ズです。(ところでガッツポーズってどんな格好をするんでしたっけ?)筋肉

このアイディアに共感していただいた18名の皆さんで、早速プロジェクトを立ち上げ
ました。

「視覚障害者も打てる携帯型碁盤を作る会」の発足です。

このような組織は、NPOにすべきか、またはそうでない方法があるのか、まったく
の手探り状態でしたが、何事も専門の方に伺ってみるのがいちばんですよね。
私は、都庁で行われているセミナーを受講したり、
東京ボランティア・市民活動センター相談担当専門員の方ともお会いし、相談に乗っ
ていただきました。
「この会の目的からいうと、任意団体が宜しいのでは?」とのアドバイスをいただき
ました。
それからは 会の規約メモを作ったり、ゆうちょ銀行に口座を開設したりとあわただしい
日々を過ごしました。走る人

最初に取り組んだ資金集めは、助成金の申請です。お願い
もちろん、可能性が非常に高い所へ申請したのですが、世の中そんなに甘いものでは
ありませんよね。
「うまくいけば100万円をゲット」という望みは、残念ながら水泡に帰すでした。
となると、非常に心苦しいのですが、広く皆様のご支援とご協力をいただくしかあり
ません。ウインク

(つづく)