2005年に、必要の大きな会衆から、大和市鶴間会衆に移動し、そこでも引き続きヤマダ電機の仕事を続けていた。

熊谷店の業務は熊谷市の地元会衆の兄弟にほとんど任せて、横浜市にある青葉台店と大和市にあるつきみ野店の仕事も引き受けるようになった。

こちらでは暴力団関係者の対応はしなくても良くなったが、店側のパソコン発送ミスの責任を、なぜか私が背負わされて、右翼団体関係者のクレーム仕事をやらされた。

事件の発端は、店側による発送日の完全な見落としだった。右翼団体関係者は店にパソコンの注文と設定サポートを事前に申し込んでいたのだが、店の担当者がその発送日を完全に見落としていたのだ。

廊下に積み上げられた、とあるパソコンの配送ラベルの日付に、私が気付き、店長にそれを報告したことで、この事件が発覚したのだ。

しかし、あろうことか、店長は、私が配送希望日を知りながら、わざと見過ごしをしていたのではないか?と嫌疑をかけはじめ、挙句の果てには一緒に先方へお詫びに同行し、パソコンの設定は無料でやってくれ、という無茶ブリをしてきた。つまり負担費用の痛みわけをしてくれというのだ。

私は、「それはフェアではない」、と猛烈に抗議したのだが、店長は、客が今、猛烈に怒っているので仕方がないだ、の一点張り。

私はかなり不満を感じつつも、普段の仕事の恩義もあったのでやむなく了承してしまった。

それから店長は不意に液晶テレビを用意し始めた。私が「それは何ですか」、と尋ねると、店長は、「これはお詫びの品だ」と答えた。店長はどうやらタダで彼にそれを上納するらしい、こうでもしないと彼らから許して貰えないからというのがその理由なのだが、私はそんな不正行為が心底、許せなかった。

それで、私は「こんなことをすれば、向こうはますます図にのるだけですよ、やめたほうがいいですよ、こういうことは」と忠告するも、「仕方ないんだよ、こうするしか」と店長は静かに呟いた。

この店長の姿を見て、この量販店業界では、きっとこのように右翼関係者との裏取引のようなことがたびたび、横行しているのだろう、と確信した。

一方で、右翼団体関係者は、些細なことで店側に軽く脅しをかけてやれば、なんでも思い通りになると思って味をしめている。本当に腐敗した世界そのものだった。

こんなことがあり、私は嫌々ながらも、店長と一緒に大和駅近くにある右翼団体関係者の自宅マンションへと向かった。(続く)