私はJWでの経験を通して、苦を味わっているのは紛れもない事実である。

それだけに人の苦について説いた釈迦の教えには共鳴する部分が多い。

以下は、釈迦の苦に対する説法である。苦は自分の中から湧き上がるものであり、苦の源は煩悩であり、自分の煩悩に振り回され、もがいたり、あがいたりしなければ、そもそも、その苦を味わうことはない、というのである。大変に興味深い。


「釈迦は初転法輪において、まず迷いの現実が苦であることと、その苦は克服しうるものであることを明らかにした。

しかも、苦は単に苦として外にあるのでなく、我々がそれをどう受け取るのかで変わってくることを説いて、「煩悩」こそがすべてを苦と受け取らせる原因であることを明らかにした。

したがって、この煩悩を正しく処理すれば、苦に悩まされない境地をうる。その道は、いっさいの自己愛を捨て、他に同化することにあるので、その根本は自己の本姿に徹することである。

つまり、本来、執着すべきでない自己に執着することが、苦の原因である。

この「苦」を滅して涅槃の世界に入る方法が「仏道」である。」

以上は、非常に簡潔でありながら、妙にしっくりと、自分の腑に落ちるのであるから不思議である。