SMAPの公開処刑シーンを皆さんも目撃しましたか?

あの場面を見て、「SMAPが解散しなくて良かった」と、ただ単純に胸をなでおろしている方は、個人的願望がそのまま叶ったことに安堵されているだけであり、出来事の本質を全く捉えていません。

あの場面は、公共の電波を利用した巨大権力組織に肥大化してしまった芸能事務所の公開私刑であり、諸手を上げて喜ぶべき出来事ではありませんでした。

あの芸能事務所が、会見を行った目的は、芸能界だけではなく、マスコミ業界において、いかに我が芸能事務所の経営者は偉いのか、事務所経営者からしたら単なる奴隷に過ぎない所属タレントが経営者に逆らったら、一体どんな目に遭うのか、ということを公共の電波を通じて、世間に知らしめるという目的でした。

一度は、解散の危機に面したSMAPが、再起を誓うという趣旨の会見としたかったのであれば、あのような会見には決してならなかったはずです。きっと、「これからもグループとして活動していきますから、皆さんも応援していてください」というコメントで良かったはずです。

しかし、実際の会見は、事務所に反旗を翻したタレントが、権力者の権力の巨大さに改めて気がついて平謝りした、ということを公にしたに過ぎませんでした。

タレント側も事務所の意図するコメントをただ言わされたに過ぎませんでした。皆さんも、あの会見での黒ネクタイをした四人のとても暗い生気のない表情をご覧になったと思いますが、完全に魂が抜けた状態で、本意ではなかった様子がありありと手に取るように分かりました。しかも、最初に流れた彼らの代表曲の曲調とは、極めて対照的な様子が印象的でした。

特に中居さんは、謝りの言葉を述べる前に、大きなため息をついていました。それはこれから述べることは、自分の本意ではない、ということを意味する言動であり、この処置に全く同意していないことを示していました。

これは特定芸能事務所による公共の電波の私的利用であり、事務所経営者の傲慢さの表れです。

あの場面を、何度も何度も放送するニュース番組も常軌を逸しているとしか思えません。

ある意味、特定タレントに対する恥辱行為を繰り返している、という意味で極めて悪質な放送だった、と言えます。

本来は娯楽を提供するはずのバラエティー番組でのあの会見は、これほど不快なものはない、というぐらい酷いものでした。

あの芸能事務所が、タレント個人の尊厳に対して犯した罪は、極めて悪質であり重いものと考えます。

そして、あの公開処刑の反動は、決して小さくはないと思います。むしろやがて巨大なうねりとなって帰ってくるに違いありません。ただし、正しく判断する人々がマスコミ業界に残っていれば、、の話ですが。

ただ、今回の出来事が、あの芸能事務所の最高潮を示す事件であり、これ以上のものは今後もないでしょうから、あとは崩落の一途を辿るもの、と認識しています。

なにしろ、国民を騒がす事件の黒幕が、自らの名を、公共の電波を通じて明かしてしまった上に、自らに逆らったらどうなるかを逆に、世間にも企業にも分かりやすい形で知らしめてしまったわけですから。

今後はきっと腫れ物に触らずを地でいく形になると思います。

また、行方をくらましているとされるマネージャーさんですが、きっと遠い地へ旅に出てしまったのではないか、と思います。

あのマネージャーさんに対する処置も芸能事務所のカリスマ経営者が、組織の存続を揺るがす、ある意味、反逆の求心力となった危険人物に対して、どんな冷酷な処分をするのかを物語っています。

今回の出来事は、権力の座に座するものが、いかに暴走してしまうかを如実に表す出来事でもありました。

最後に付け加えておくことは、どこかの巨大組織Jの日本支部と同様、このJ芸能事務所においても、ある虐待を隠蔽している可能性がある、ということです。