今まで、
生き抜く為に、
散々、皆から嫌われ者になってきた僕は、
寂しさは、
向き合うのも止めて、
気持ちなんか圧し殺して、
何年も、
ずーーっと、独りぼっちで、
夜は、刺激で誤魔化しているだけだったけれど、
アクアと園芸をやって、
夜の雨の音を聞いて、
植物に囲まれた部屋で、ぼーっと、
水槽の魚達を眺めていると、
透明な気持ちになって、
この空間と時を、
共に過ごせる人がいたら、
どんなにか、
素敵で素晴らしい事だろう………。
と、
想いを馳せたりしてしまう。
そんな夢が叶おうが叶うまいが、
ネットで、
僕と同じ様な誰かが、
必ずは、他者がいるから、
僕は、静かに嬉しい。
絶対に、独りぼっちでいるのは、
僕だけじゃない!
という、その安堵の気持ちが、
素直に湧く。
独りぼっちなのは、
一人じゃないんだ。
気休めじゃなく、
絶対な確信に満ちた、
事実がある。
なら、もう、寂しくはないよ。
なら、雨の音を、胸の内で聞くだけで、心は満ちる。
これでいいのだ。
そう自身の境遇や背景を、
過去の悲惨な出来事も、
失敗も、
悔しさと憎悪も、
今が、これでいい!って、
思えたなら、
ちゃんと向き合って、
手を繋ぐ事ができるから、
心が笑顔じゃなくても、
素顔のままで、
安心して、いられるだけで、
僕の人生は、
良かった………。
そんな幸福は、
今まで、何度も成功を落としてきたけれど、
同時に、今まで諦める事なく、
築いてきた僕の手の中に。
そして、胸の奥の本心の中に、
僕は、この世界にいていいって、
今ならわかる。
素晴らしいよりは、
酷い。
美しいよりは、
穢い。
けれど、
何度も、塗りつぶしてきた心のキャンバスは、
今の僕の植物と水槽が彩る部屋の様に、
心の底を打つ今日の雨の様に、
毎日を暮らしていく事には、
意味のある無しがどうとかより、
成功したとか、失敗だとかよりも前に、
現に、自分が生きている事の歓びが、
僕が生きている実体が、
暗闇に表も裏もなく、浮かび上がる。
こんな風でも、
自分がどうであっても、
何が足りなくても、
生きていて、
独りぼっちで皆の内の僕は、幸せなのだ。
だから、
もしかしたら、
あなたも、僕と同じじゃないですか?
そう、ソオルメイトがいたとして、
問いかけているんだ。
………という気持ちの機微を、誰かに伝えたくて。
常に変化し続けるだけのこの世界の現象を、
勇気と誇りを持って、
あなたへと向かう。
実際に手を繋ぐ事はできなくても、
欲望じゃなくて、
心で繋がりたい。
そう思うよ。
此処まで読んでくれて、ありがとう。
ーー終わりーー