松田けいた君の心移植手術が行われました | けいた君を救う会

松田けいた君の心移植手術が行われました

去る10月2日,皆様のお力添えによって成田空港を発って以来,けいた君はずっと米国・コロンバス小児病院にて移植待機の状態を続けて来ましたが,同行した母親共々常時病院の管理下におりました関係上,私共も思うように現地との連絡が取れなかったために,なかなか状況をお知らせする事も出来ず,皆様には大変ご心配をおかけ致しました。

メ-ルやお電話でわざわざお問い合わせ下さった多くの方々にも詳細なご案内が出来ず,誠に申し訳ございませんでしたが,このほどけいた君の心移植手術が行われ,無事成功したとのご連絡を,日本での主治医である布田伸一先生より頂く事が出来ました。つきましては,同先生よりお送り頂いた経過報告を以下にご紹介申し上げます。

なお私共も,布田先生より成功のご報告を頂くまで,途中経過などを全く把握出来ておりませんでしたので,今回このような形で遅れてのご報告になりましたが,その理由につきましては,以前にマスコミのある社がダイレクトに病院にアプ
ロ-チした事により,コロンバス小児病院側がけいた君の情報管理に非常にナ-バスになっていて,「補助循環装置を除去出来た段階をもって心移植手術の成功とします。」というお知らせがあったためとの事です。そのためもあり,今後けいた君に関する医学的な情報につきましては,布田先生を通じて頂いたものだけをご紹介させて頂く事と致しますので,ご理解のほどよろしくお願い致します。


今回このような活動を経験をさせて頂いた事で,松田夫妻はもちろんですが,
私共もまた初めて「ドナ-心」という言葉を知り,そしてまたけいた君の向こう側には,自らの死と引き換えに手術を成功に導いてくれたお子さんがいるのだという事実を,文字通り身をもって思い知る事になりました。

今回のニュ-スは私共の最大の目標のひとつが達成された事を意味しますから,私共にとってこれほど嬉しい事はありませんし,またそれを実現させて下さった皆様に於かれましてもそれは全く同じだと思います。もちろん,私共の皆様への感謝の気持ちにも何ら変わりはありません。ですが,正直に申し上げれば,けいた君が無事に大手術を乗り越えたと聞かされた今は,その礎となってくれたお子さんの事をさて置いたまま,喜びと,皆様への感謝の気持ちだけをこの場に書き連ねる事がどうしても出来ません。

そのために,このような機械的なご報告となってしまった経緯と,お約束したけいた君の画像をどうしても撮影する事が出来なかったという母親の心情をどうかお察し頂きたく,重ねてお願い申し上げます。


『注』

このご報告は,昨夜(11月27日)23:00過ぎに準備していたものですが,その後途中でブログにログイン出来なくなるトラブルに見舞われ,当初の予定より大幅に遅れる事となってしまいましたので,既に新聞報道等でご存知の方も多い事と思います。ご心配をおかけ致しまして大変申し訳ございませんでした。



けいた君を救う会 代表 水澤 滋

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『松田京大君の経過報告』

 米国オハイオ州コロンバスのコロンバス小児病院から東京女子医科大学東医療センタ-内科の布田伸一に入った情報によると、拡張型心筋症 による重度の心不全状態で心移植待機していた 松田京大君は、現地時間 の11月20日(月)「日本時間の11月21日(火)」にドナ-の方が現れ,心移植手術が行われました。

 移植後は,ドナ-心の負担を軽減すべく,補助循環装置の力を借りて 集中管理を行って来ましたが,現地時間の11月24日(金)「日本時間の11月25日(土)」には補助循環装置の必要性が無くなり,無事に装置を除去することが出来ました。

 今後は,移植後の拒絶反応や感染症などに対する,心移植後の厳重な管理が行われて行きます。

(文責:東京女子医科大学東医療センタ-内科 布田伸一 ぬのだしんいち)