Striker Angel
ストライカー・エンジェル
超有名私立大学の法学部に通う女子大学生5人組。
その5人組はその超有名私立大学の KICK☆Boxing 愛好会(キックボクシングあいすかい)の先輩後輩で特別な仲間である。
KICK☆Boxing 愛好会は大学から歩いて10分の場所にある White Tiger KICK☆Boxing GYM(白虎キックボクシングジム)に所属している。
特別な5人組を含めた愛好会の全会員はこのジムでトレーニングをしている。
それは、
WhiteTiger KICK☆Boxing GYMのオーナーであるコジロー(虎士郎)が超有名私立大学の法学部のOB であり、元アマチュアキックボクシングチャンピオンだからだ。
KICK☆Boxing 愛好会の特別で優美精鋭5人組を Striker Angel と呼ぶ。
何が、特別か?
それはそれぞれが身に纏う影である。
纏う影の色は紅蓮に揺めき漆黒に侵蝕させている…
父よ母よ妹よ、兄よ弟よ恋人よ、還らぬ大切な人への想い…
RETALIATIONcolor!
☆
Striker Angel Body Data。
ナナリ(菜々梨)22歳
172㎝ 80-57-83
股下 85㎝ の9頭身。
黒い長い髪に黒い瞳のCOOLbeauty。
硬式空手 元高校全国チャンピオン。
リナ(梨奈)21歳
157㎝ 72-57-82
股下 77㎝ の9頭身。
黒い長い髪に黒い瞳のCOOLbeauty。
テコンドー 元高校全国チャンピオン。
アイリ(愛梨)21歳
160㎝ 91-60-88
股下 79㎝ の9頭身。
黒い長い髪に黒い瞳のCOOLbeauty。
連盟空手 元高校全国チャンピオン。
リカ(梨香)20歳
164㎝ 84-58-89
股下 81㎝ の9頭身。
栗色の長い髪に栗色の瞳のCOOLbeauty。
フルコン空手 元高校全国チャンピオン。
リコ(梨子)20歳
160㎝ 80-57-80
股下 79㎝ の9頭身。
栗色の長い髪に栗色の瞳のCOOLbeauty。
協会空手 元高校全国チャンピオン。
まさに、理想的なStriker style である事も特別な理由だ。
☆
男性A。
交通事故を起こし高齢の女性を死に至らしめた。
自動車運転過失致死傷罪。
※
自動車を運転する際に必要な注意を怠って、人を死傷させた場合に適用され、法定刑は7年以下の懲役・禁固または100万円以下の罰金。
法律の原則は加害者の更正が第一目的である、そのため酌量があり最高刑に達する事はない。
ましてや罰金刑となれば100万円以内の金額で人一人死に至らしめた罪は償われた事になるのである。
※
法要が行われている。
男性Aの車に跳ねられ亡くなった高齢の女性の法要である。
幼い女の子が悲しみの表情で手のひらを合わせている。
まもなく中年?男性が切なく苦しい表情で手のひらを合わせている。
まもなく中年?女性が表情も無く手のひらを合わせている。
亡くなった高齢の女性の孫。
亡くなった高齢の女性の息子。
亡くなった高齢の女性の息子の妻。
表情こそそれぞれに違いは有れど心の奥に持つ思いは1つ。
理不尽。祖母は、母は、姑は、なぜ死ななければならなかった?
死に至らしめた男性Aに下された罪状にも納得出来ない!
法要の翌日。
幼い女の子とまもなく中年?男性とまもなく中年?女性は夜の食卓を囲んでいた。
幼い女の子が話し始めた。
「パパ、ママ、リタリエイションて何?」
まもなく中年?男性・パパ、とまもなく中年?女性・ママは幼い女の子、娘の発したその言葉に思わず見つめ合う。
パパが娘に向き直り問い返す。
「何その言葉?」
娘が答える。
「あのね、髪の長いキレイなおねえちゃんが、リタリエイションのお話ししたかったら、今度の日曜の朝6時に河原の公園においで。って言ってた」
ママがスマートフォンの画面を睨みながら声を出す。
『RETALIATION(リタリエイション)
その意味は?
仕返し(しかえし)
報復(ほうふく)
返報(へんぽう)
復讐(ふくしゅう)
しっぺ返し(しっぺがえし)
お礼参り(おれいまいり)
敵討ち(かたきうち)
仇討ち(あだうち)
雪辱(せつじょく)
[ 要 約 ]
『心に害を、心に傷を与えた相手に対して、それに見合う害、傷を返すこと』
ママが説明した言葉に娘の表情が引き締まる。
ママは自分が説明した内容に表情を引き締めた。
髪の長いキレイなおねえちゃんが気になって仕方無いパパだけの表情は引き締まらない。
☆
今度の日曜の朝。
早朝である、パパは目を覚ました。
隣で寝ているママに気付かれない様にベッドから抜け出しパジャマを脱いだ。
下着だけの格好で考える。
髪の長いキレイなおねえちゃんとお話しするなら何を着ていこう?
考え中のパパの後ろで気配が動く。
ママが着替えを始めている。
パジャマを脱ぎ、ジーンズにTシャツを身に着ける。
その上にパーカーを羽織りスマートフォンと財布をポーチに入れ斜めに掛ける。
その様子に慌ててパパもジーンズにTシャツにパーカーと同じ服装になる。
スマートフォンをジーンズの左後ろポケットへ、財布をジーンズの右後ろポケットへ突っ込む。
ママが寝室のドアを開ける。
パパがそれに続く。
すでに玄関には、お気に入りのスカートにお気に入りのTシャツにお気に入りのパーカーを羽織った娘がいた。
やっぱ、親子。
やっぱ、家族。
思いは1つなのだ。
「行くぞ!」
パパの声でママと娘は手を繋ぎ、娘はパパと手を繋いで歩き始めた。
日曜の朝、それも早朝6時の河原の公園に人の姿もまばらだ。
髪の長いキレイなおねえちゃんをパパは顔を左右に振って探す。
公園の中央に芝生の広場がある。
広場の真ん中でお揃いの強い赤色のTシャツにハーフパンツにスポーツレギンス姿をした5人の女性達がヨガマットを広げストレッチしている。
ぅわぁ、皆、髪の長いキレイなおねえちゃんじゃないか!?
パパの表情がまた緩む。
5人の女性うちの一人が顔を上げ娘に視線を向ける。
ナナリが顔を上げ娘に視線を向ける。
あっ、と娘が声を出そうとするとナナリは自分の右手の人指し指を立て自分の唇にあて、シィーと娘の声を制した。
続けてその人指し指をある方向へ向けた。
娘の顔が人指し指に示された方向へ向く。
それに合わせてママの顔が、パパの顔が同じ方向へ向く。
そこに1人の男性がベンチに腰を下ろし5人の女性達を見つめていた。
男性の髪は黒髪に銀髪が混ざりあい虎の毛並みの様に見える。
スポーツサングラスを掛け黒地に銀色の三本ラインのトレーニングウェア姿をしている。
コジローである。
娘とママとパパがコジローに近づいていく。
コジローの前までいくとパパがぎこちなく会釈した。
コジローは立ち上がり言葉を出した。
「おはようございます、せっかくですから少し散歩しましょう」
そう言うとコジローは芝生の広場を囲むウォーキングコースを歩き始めた。
コジローの横にパパが並び、娘とママが並び手を繋ぎ少しだけ前を歩く。
コジローは3人にだけ聞こえる声で話し始めた。
「リタリエイション代行をします」
はい…パパが頷く。
「実行メニューは3種類、6万コース、12万コース、18万コース」
「お金ですか?」
パパが訊ねる。
「6万は、相手を重症にする。12万は、半殺し。18万は、抹殺!」
「え?18万で抹殺なんですか?安くないですか?」
「金額の問題ではないです、心の、気持ちの問題ですから。最低限の必要経費設定です」
コジローが言い切る。
はぁ…と息を吐き、んー…とパパが唸りながら考え込んだ。
考え込みながら歩き続け歩き続けて、ちょうど芝生の広場を囲むウォーキングコースを一周し終え、スタート地点となったベンチの前まで戻っていた。
「もう一周しながら3人で相談して下さい」
そう言うとコジローはベンチにひとり腰下ろした。
パパとママと娘は二週目の散歩を始めた。
二週目が終りコジローの前に戻ってきた。
パパがコジローに向けて言葉を出した。
「あの…12…で…」
「18万のコースでお願いします」
ママがパパの声を遮り声を出した。
おまえ?12って…言ってただろう?パパが驚きママに目を向ける。
娘も声を出す、18万でお願いします。
その声にパパも18万でお願いします。と改めて声を出した。
娘とママとパパがコジローに向けて頭を下げる。
「では、手付金1万を今、残りの17万は結果を出してから、またご連絡をした時に」
はい!パパが慌てて財布を取り出す。
あら?五千円札しかない。
ママが空かさず財布を取り出し五千円札をもぅ一枚重ねる。
娘はパパとママが重ねた五千円札2枚、1万円を手に握りしめコジローに差し出した。
「結果は、TVのニュース、ネット、新聞記事として全国に拡散しますから確認しておいて下さい」
パパは思った、交通事故とは言え人一人を殺して100万円以内の金で罪を償えるなんて(しかも男性Aは両親に金を、罰金を、払ってもらっている)
そんな奴を、18万円の金で抹殺してくれるなんてありがたい事だろう。
母を殺した犯人の男性Aをぶん殴ってヤりたかった。
でも、ぶん殴り方がわからなかった。
ぶん殴り返されるかもしれないと不安が先に立った。
だいたい殴りあいのケンカもしたこともないのだから仕方ない。
☆
そもそもの始まりは3年と半年前。
ナナリが超有名私立大学の法学部に入学しKICK☆Boxing 愛好会に入会しWhite Tiger KICK☆Boxing GYMで練習し始めて半年経ったある日だった。
その日の練習を終えてGYM練習生達が帰り始めた。
ナナリは帰り始めた練習生達の最後尾にいた。そこに練習生達の間をかき分け一人の高齢の男性がGYMに入ってきた。
高齢の男性がGYMのオーナーであるコジローの名を大声で呼び始めた。
その大声にコジローが慌てて駆け寄って声を掛けた。
「どうなさったんですか大先輩?」
大先輩。
コジローがそう呼ぶ高齢の男性、超有名私立大学の法学部のOBでありキックボクシング選手だったコジローの支援者でもある。
今も大先輩はコジローがオーナーとなったこのGYMを支援してくれている資産家である。
大先輩が話し始めた。
「騙された、詐欺にあった」
金額は、10万円、資産家の大先輩にとって然程痛手と言う金額ではなかった。
しかし、人を騙すという行為、それが気に食わない、ぶん殴ってヤりたい。
しかし、高齢の自分では簡単にはぶん殴れない。
「コジロー、頼む!
ワシの代わりに奴をぶん殴ってくれ、勿論、礼はする」
こうしてコジローは大恩義ある大先輩の、ぶん殴り代行を仕方なく引き受けてしまったのだ。
ぶん殴る奴、大先輩を騙した奴は直ぐに見つけることができた、しかし直ぐにぶん殴る事はできなかった。
ぶん殴る事は簡単だが周りに人目が有りすぎた。
まさか公衆の面前でぶん殴るわけにもいかず、奴と人目のない場所で2人きりになることは難しかったからだ。
コジローが奴を尾行しているとふらりとナナリが現れた。
ナナリは奴に声を掛けた。
ナナリほどの美女に声を掛けられば99パーセントの男が助平根性で付いていく。
あっさりとナナリは奴と2人きりの場面を作り出した。
そこへコジローが現れる、奴に向かってぶん殴りに掛かった。
ところが奴はおもわぬ強者でコジローは手こずり苦戦した。
苦戦中のコジローにナナリが加勢した。
ナナリの加勢により奴をぶん殴りボコボコの重症することに成功した。
その証拠にとコジローはデジカメで写真を撮った。
その上、騙し取られた10万円の回収にも成功した。
証拠写真と10万円を手にコジローとナナリは大先輩の元へ出向いた。
大先輩は、大満足じゃ!と喜び謝礼にと回収した10万円をコジローに差し出した。
コジローは頭を左右に振って受け取りを一度は拒んだ。
しかし大先輩は「それではワシの気がすまん!」と強く言い続けた。
そして強い言葉に押され思わずコジローは「3万円」と口走ってしまった。
3万円、それはコジローが近々に迫っていた支払いの金額だった。
もっともその事は口には出しはしなかった。
大先輩は、そうかそれならば3万円でと、コジローに3万円を差し出し、ナナリに3万円を差し出した。
ナナリも一度は拒んだが大先輩が納得してくれずその3万円を受け取った。
3万円×2人=6万円。
ぶん殴り代行、相手を重症にして6万コースが成立した。
そこから、大先輩の口コミで高齢の資産家達から騙された、騙した奴をぶん殴ってくれ!と次々とぶん殴り代行の依頼が舞い込む様になったのだ。
☆
ぶん殴り代行が半年も経った頃、半殺しの依頼が舞い込んだ。
高齢の男性の資産家だった。
「孫娘が痴漢にあった、奴を半殺しの目に合わせなければワシは死にきれん!」
と息巻き、半殺し代行をしてくれと懇願され、引き受けてしまった。
しかし、痴漢をした奴を探し出し半殺しの目に合わせる事は難しかった。
まずは犯人を探し出す為の人手が必要だった。
そこで、リナとアイリを仲間に入れ4人で行動を開始した。
神の助けか、悪魔が味方したか4人で行動して直ぐに資産家の孫娘に痴漢した奴を見つけ出した。
4人で痴漢した奴をボコボコにし片腕、片脚をへし折っり、その証拠写真を撮った。
証拠写真を依頼してきた資産家に提出する。
謝礼は、3万円×4人=12万円。
半殺しにして、12万コースが成立した。
そしてまた半年経った頃、高齢の男性が代行を依頼してきた。
この男性は資産家ではなかった。
男性自信と妻である女性の二人分の年金と僅かな収入で慎ましく暮らしていた。
高齢の男性が話し始めた。
「先日の年金支給日に家内が銀行にお金を引き出しに行った。
その銀行からの帰り道、いきなり後ろから襲われた」
男性の妻は後頭部を固いもので殴られその場で意識を失なった。
失なった意識は今も戻らず、意識不明の昏睡状態である。
当然、引き出したばかりの年金は奪われた。
男性曰く「もぅすぐ家内の生命は消える、家内の復讐をしなければワシの気がすまん」
コジローが申し訳なさそうに声を出た。
「しかし、警察が犯人を捕まえるでしょ?」
その声に男性は首を左右に振って言葉を出た。
「警察が捕まえて裁判しても極刑は望めん!犯人は何年かすると出てくる。例え無期でも犯人は生きている、塀の中で暑くも寒くもなく、3食、食らいながら」
確かに!
しかし警察よりも早く犯人を見つけ出せるのか?
コジローの思案を見透かした様に男性が声を続けて出した。
「実は、犯人に心当たり、思い当たる奴がいる、警察には話してはない」
えぇー!?
そんな重要なことを?
しかしそこまで思い詰めた男性の気持ちに応えやりたい。
コジローは抹殺の依頼を引き受けた。
☆
何故、法学部?
法を知り、法の仕組みを知り、法の抜け穴、盲点、至らなさを知り晴らせぬ思いを晴らす!
Re;Vengers!
☆
高齢の男性の心当たり、思い当たる奴を捜しだし、犯行の確証を取り、確実に抹殺を実行する。
当然として自分たちRe;Vengers の存在が露になってはいけない。
用意周到。
完全無欠。
疾風怒濤。
リカとリコを新たに仲間に入れた。
コジローと5人のStriker Angel。
3万円×6人=18万円
抹殺して、18万円コースが成立した。
☆
娘とママとパパが手付金一万円を手渡してから4日後。
男性Aが仕事を終えて自転車を漕ぎ出す。
近所のスーパーマーケットで発泡酒を2本と値引き札付きの弁当を買う。
スーパーマーケットを出たところで発泡酒の1本を開け一気に喉に流し込む。
ぷはー!息を吐きながら自転車に再び股がり漕ぎ出す。
自動車運転過失致死傷罪だかなんだかしらないが人一人死なせても運転免許証は取り消されなかった。
会社も首にはならなかった。
ただし自動車の保険の掛け金がべらぼうに上がってしまった。
車の修理代も掛かる。
取り敢えず自転車だ。
会社の近くに安アパート借りたので支障はない。
思ったよりも自転車は良い。
信号も一方通行も駐車違反も無いし酒飲みながらでお構い無しだ。
この角を曲がれば自宅の安アパートだと男性Aが思った瞬間、目の前に突然人影が現れた。
その人影は男性Aの、自転車の行く手に塞いでいた。
突然だったので男性Aの自転車は急ブレーキにつんのめり地面へ転倒した。
痛って…誰だ?
ふらふらと男性Aが立ち上がる。
辺りには値引き札付きの弁当と発泡酒の缶が2本転がっている。
1本は既に空缶になっていた。
男性Aの顔が人影に向く。
刹那、顔面を衝撃が襲う。
衝撃の勢いで男性Aの体が捻れ後ろへ向く。
後ろには他に4つの人影が有った。
続けて両脚に、両腕に、顔面に後頭部に全身の全てが衝撃に包まれていた。
そして最後の衝撃。
延髄への衝撃が男性Aの意識を完全に撃ち切った。
その撃ち切られた意識は2度と戻る事は無かった。
翌朝のTVニュースで男性Aの事故死?が放送された。
その事故死?はネットニュースでも拡散された。
当然、新聞記事としても拡散された。
その日の夜の食卓で娘がママとパパに向かって言った。
「髪の長いキレイなおねえちゃんが今度の日曜の朝6時に河原の公園にいるって言ってたよ」
ママとパパは、ホッとした笑顔で「了解」と娘に返事をした。
終り。