相も変わらず議論を起こし続けている自民党のマニュアルですが、

この議論を更に燃やしたのはあるアナウンサーの発言でした。

 

みなさんご存知かもしれませんが、先日自民党が「失言防止マニュアル」というものを配りました。

理由は所属議員の不適切発言が多いからというなんともわかりやすい理由です。

これに対して野党はそんなものと批判し、党内部からも情けないという声が上がっている状態なのです。

この一連の出来事に対し、先のアナウンサーもニュース番組にて

必要なのはマニュアルではなく、判断力なのではないのでしょうか。言っていいことと悪いことの判断は、誰かに言われてではなく、自ら責任を持っていただきたいです。マニュアルが必要になる時点で、国会議員の資質とは一体なんなのか考えてしまいます。

という名言を残した結果、今でも話題になっています。

 

実はこのアナウンサーが発言する前からネット上でも議論になっていました。

同じく「マニュアルが必要な時点で国会議員として」勢と、「マニュアルがまともでこれは意味がある」勢である。

かくいうわたしもそんなマニュアルなんて…と最初報道を見た時には思ったのだが、このマニュアルの内容を見ると非常に面白いのです。

本来ならスクリーンショットをしてみなさまにもお見せしたいのだが、スクリーンショットがいつの間にか法律違反の時代になってしまったので、詳しく知りたい方は検索してくださいまし。

ちなみにですがスクリーンショットの無断公開は一応は違法なので気をつけてくださいね。

 

さてマニュアルですが、A4一枚程度のサイズで非常に簡素なものです。

大きく3つのことについて注意を喚起しており、

  • 発言は「切り取られる」ことを意識する
  • 報道内容を決めるのは目の前の記者ではない
  • タイトルに使われやすい「強めのワード」に注意

とあります。

強めのワードも5つにジャンル分けされ、例えばLGBTや歴史等です。

そして、対策法として大きくまた3つ示されます。

  1. 句点(。)を意識して、短い文章を重ねる話法
  2. 支持者や身内と使っている「危ない表現」を確認
  3. 「弱者」や「被害者」に触れる際は一層の配慮を

とあります。

 

もしかしたら、これも当たり前と思われるのかもしれませんが、(もちろん当たり前のこともありますが)

わたしはこのマニュアルに記載されている指針は、なかなか自分の人生だけでは気づきにくい事柄だと感じます。

アホみたいなことを言えば学校では絶対に習いませんからね。

先のアナウンサーの言ったような「判断力」どうこうでは分からない指針である気もします。

 

おそらくこの議論は反対派と賛成派が違うフレームで戦っております。

最近で言えば、北方領土を取り戻すのに戦争という選択肢もあるだろう、なんてことで炎上した人もいますが、

そういった発言は明らかな「判断力」の問題です。

このレベルは「判断力」だけでどうにかしてほしいもので、わざわざマニュアルにするまでもありません。

事実マニュアルにこういう発言は炎上するからしてはいけないよ!なんて書いてありませんからね。

むしろ、政府の方針や見解を伝える上で曲解されることを防ぐためのマニュアルなのです。

これはよっぽど頭が良くないと生まれながらにしてできないと思います。

その対策としてのマニュアルはやはり必要でしょう。

ですから、賛成派と反対派で想定している「失言」のレベルが違うだけの問題な気がします。

 

しかし、このアナウンサーのいうところの「国会議員の資質」は考えさせるものがあります。

現在投票率が相まって国会議員に所謂「パンダ枠」が増えました。

パンダは客寄せという意味ですが、本来国会議員を目指していない人といる人では勉強量や知識量が違うわけです。

ですからそういった人が増える状況事態「国会議員の資質」の基準は明らかに下がっているでしょう。

パンダ枠が問題なのではなく、そもそもの国会議員のレベルが問題なのです。

その基準を少しでも高めるためには残念ながらマニュアルでもなんでも教育が必要な時代なのです。

 

さて、驚くべきことに本日はここまでが枕詞なのであります。

国会議員の身の振る舞い方同様に、「俳優」とはなんなのか、「芸能人」とはなんなのかを考えたります。

俳優が恋愛をしたり、遊びをしたり、つい数年前には炎上案件だったものが、個人主義の台頭か、そういったプライベートに口を出してはいけない、それは理想的なファン像ではない、ということが常識の時代になりました。

この考え方が広まったお陰で公園で全裸になるほど追い込まれるアイドルも減ったことでしょう。

しかし、それは一概に正解だと言えるだろうかと思うわけです。

恋愛は自由、そんなことは当たり前ですが、

例えば「恋愛はしてません!みんなが僕の恋人です!」と普段から言っていて、その人の舞台だけでなく個人のイベントにもたくさん人を動員してお金を稼いでいる、みたいなスタイルの俳優がいるとします。

その人に実は彼女がいた、奥さんがいた、なんて場合、ファンは恋愛は自由だから文句言ってはいけない……と我慢しなくてはならないのでしょうか?

我慢できる人はできる人ですごいな、と思いますが、それと同じくらい苦しい気持ちの人も理解されてよい気がするのです。

逆の「恋愛は生き甲斐なんですよね。」と公表している俳優でしたら恋愛を止める権利はないですけどね。

俳優・アイドルは恋愛をしてはいけない、なのではなく、恋愛よりもお仕事!と言ってるのだとしたら、ファンはあなたのそこも好きなわけで、恋愛をしていたらそれはファンに対する裏切りだなとわたしなんかは思うわけです。


残念ながらこういったこと(恋愛に限らず)の共通認識がありません。

この仕事を始めて初めて知ったことですが、ほとんどの人はマニュアルがないらしいですね。

こういったことはしてはいけない、を経験で知っていくのが芸能界スタイルらしいです。


芸能人のいろはのようなマニュアルをほとんどの事務所が持っていないし、ファンもバラバラの価値観なわけです。

そうなると理論振りかざしたもんがちになるわけで力がない人が我慢するしかなくなってしまうのです。

果たして、国会議員同様、本人が商品である芸能人はそれで良いのでしょうか。

それこそマニュアル無しでより良い世界になることが一番尊いでしょう。

しかし、それだけではどうやら駄目なのだろうと最近感じます。

国会議員だけでなく「芸能人」もマニュアルを配布しなければならないのかな、と思うわけです。



下平