現在SNSは大きな影響力を持っており、ビジネスシーンでも使用されることが当たり前となってきました。

SNSの先駆けといえばGREEやmixiなどが当たるのでしょうか。

Facebookの台頭からSNS時代は一気に加速し、今やFB、ツイッター、インスタグラムは3強とみなされるようになります。

さらに、そこからLINEもその一つと数えられるようになり、SNSなんて分からない!では済まされない時代になってしまいました。

 

中でもSNSと言えば今や超人気となっているインスタグラムですが、それも振り返ればごく最近の話です。

最初に盛り上がったmixiやGREEでは個々人が自分のページを持ち、それらを友達のページとリンクさせるといったものでした。

その後同じようなシステムでありながら本名でしか参加のできないFacebookが台頭していきます。これはmixi時代に問題となった出会い目的や偽物の排除に貢献したことが一つの原因と考えられます。

この後に登場したのがTwitterです。

実は日本では、本名が怖いというのも起因してか、Twitterの方が早く盛り上がりを見せます。

そんなTwitterは文字数が自由であるFacebookと違い、たった140字しか書くことができないのです。

海外ではそれならばフェイスブックで十分とされるところを、日本ではむしろかなりの速度で広がることとなりました。

 

それからようやく、インスタグラムの時代がやってきます。

インスタグラムはツイッターと同じ手軽さを持ちながら写真がなければ投稿できないという違いがあります。

文字メインのツイッターに対抗した、写真メインのSNSであるわけです。

後々、インスタグラムの爆発的な人気はTwitterをも追い越していきました。


このインスタグラムは人々の生活に大きな変化を与えることとなります。

写真を投稿することが目的のSNSであるからに、よりよい写真を載せるために人々の写真への意識が高まります。

またインスタグラムはツイッターよりも「タグ付け」が発展しているため、タグの人気不人気という概念が生まれるようになりました。

このタグに注目した一部の人々はビジネス利用しはじめ、SNSのビジネス利用はさらに加速していくわけです。

言葉としても「映え」が流行語となり、日本は「国民全員がカメラマン」時代に突入していきます。

インスタグラムは単にSNSというだけでなくさまざまな習慣や伝統を変えたのです。

 

インスタグラムはやがて、新しい機能を導入します。

「ストーリー」と呼ばれるものです。

このストーリーというものは写真や動画を一時的(通常の投稿と違い、24時間しか表示されない。)に投稿するという機能です。

この機能は出た当初、実はさほど人気はありませんでした。

というか使用する人が少なかったのです。

結論を先に言ってしまえば、今この機能こそがインスタグラムのユーザーの目的となっています。

それはまさにインスタグラムの誤算でした。

 

さて、インスタグラムの流行で、人々は何でもとにかく写真を撮るという不思議な時代がやってきます。

人々は世界遺産から、ちょっとした景色、友達とのパーティ、ブランド品、自慢の彼氏や彼女そんなものを次々ネット上にあげていきます。

様々な世界を覗き、感動した人々は盛り上がります。

そして、自分も同じ様な経験をしたい!と思い、人々は同じ場所へ行ったり、同じことをしたり、するわけです。

そしたら、その彼らも同じ写真を上げるわけです。

ほぼねずみ講です。

結果、以前はもの珍しい写真や素敵な写真を見ては興奮するためのSNSのであったインスタグラムには、映画のくさいセリフのように同じような写真が溢れかえり、写真の尊さが失われていきます。

本来の、自分しか持っていない写真をあげる喜びが、ユーザーにとってはどんどん消えていったのです。

 

当たり前ですが、投稿がかなり減って行きました。

しかし、不思議なことにまだインスタグラムは人気があります。

それがストーリー機能の台頭なのです。

 

投稿が減るのに合わせ、逆に増えたのが、先程申し上げたストーリーというものでした。

本来の機能で自己承認欲求を満たされなくなったユーザーは写真を投稿することを控えるようになります。

ただ、抑えきれない欲求はなんとか解消せねばなりません。

その時丁度良かったのがストーリーなのです。

というのもストーリーは「いいね!」という判断基準がありません。

ですから、人からの悪い評価(いいねが少ない等)を受けるリスクはないのに、たくさん自分を見て貰える。

その上24時間で消えるためそこまで「映え(美的センス)」を問われることもない。

こんなに都合のいい機能は他に無いのです。

案の定、この機能は多くの人に使われていく事となるわけです。

 

さて、これからどうなるかと言えば、歴史は繰り返します。

つまり、やがてそのストーリーに人々は飽き始める時代がやってまいります。

そうなってしまえばSNSとしてのインスタグラムは終焉に向かいます。

(ビジネス利用のものは発展を止めないと思いますが。)

 せっかく人気コンテンツとなったインスタグラムですが、どうやら自らの手で自らに引導を渡すことになりそうなのです。


と、言ってもあくまでこれまでの流れを鑑みた憶測です。

しかし、もしこれが本当になったとしたら、次の人気SNSは何になるのでしょう。

何が人々にとっての時間つぶしを担ってあげるのでしょう。

それとも、人々はSNSが何も満たしてくれないことに漸く気づくのでしょうか。



 

下平