硬式庭球公式規定書
第三章-ラインに関するルール
第三十二項
「ベースライン上で結婚式を挙げてはならない」
〈解説〉
テニスが流行した18世紀イギリスでは
暑さを避けるために屋内にテニスコートを作ろうという人たちが出てきた
しかし、当時のイギリスにはテニスコートを作れるような大きな建物は教会か裁判所しかなかった
そこで、すでに形骸化していた教会という建物の中にテニスコートが作られるようになったのだ
一部は裁判所にも作られた
裁判所の事を英語でコートと言うのがその名残りである
さて、テニスが楽しまれるようになった教会であったが
まだ冠婚葬祭は行われていたため、建物自体はそのような儀式と併用されていた
そしてある日
いつものようにテニスを楽しむ地元の地主一家から
ある苦情が寄せられてきた…
「ベースラインが消えていてジャッジができない」
とのことであった
管理人のボズ ウェルシャーさんが調べてみると
確かに何かを引きずったような跡でラインが消えかかっていた
ウェルシャーさんははっと気がついた
そこは、まさに昨日結婚式が行われ
綺麗なドレスを着た花嫁が歩いた場所ではないか
ウェルシャーさんがこの事を慌てて台帳に記して、これを禁ずる事とした
この規則は他の教会でも一般化され
なんと、そのままルールブックにも残ってしまったのである
ウィンブルドン博物館には
この走り書きされたメモが、机ごと当時のまま展示されている
ウィンブルドンに立ち寄った際には
古ぼけた緑皮の手帳に目を通してみてはいかがか
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