「老朽化する公共施設等に自治体はどう対応すべきかin東京」報告書提出しました 2018.2.10
facebook にも書いています。
議会改革を進める、貝塚市議会議員の南野けいすけです。
昨日2月1日に行われました地方議会研究所主催の研修会の報告書を事務局に提出しました。
少し長いですが、お時間のある方お読みくださいね。
報告1 「公共施設などの再編と議会の関わり方」
平成30年2月1日午前9時30分頃、東京都豊島区東池袋1-6-4伊藤ビル 8階アットビジネスセンター池袋駅前別館へ到着。
第1講の「公共施設などの再編と議会の関わり方」について㈱地方議会総合研究所代表取締役・明治大学政治経済学部講師の廣瀬和彦氏より講演をいただきました。
主な内容は・・・
1.公共施設等とは
2.公共施設などの現状と問題点
3.公共施設等に対する国のスタンス
4.公共施設等総合管理計画を追加議決事件について
5.立地適正化計画との兼ね合い
6.公共施設の再編・統廃合における先進事例(泰野市・さいたま市)
7.議会として住民合意形成へどうかかわるべきか
でした。
その中で、
1.公共施設等とはについては
公共土木施設(インフラ)と公共施設(ハコモノ)に分類されその4割から5割が学校教育施設等が占める。
インフラとハコモノのどちらを優先的に取り組むかの判断が重要であるとの事です。
また地域のコミュニティーを考えた時には小学校区範囲を一つの基軸に考えないといけないとの視点が重要である。
2.公共施設などの現状と問題点については
インフラを廃止する事は基本的には考えられない。(用途廃止など以外)継続するしかないが、ハコモノは廃止・統合があり得る。
また検討もしないといけない。
しかしハコモノを新しく建設するためには一般財源を圧縮することを念頭に置く。
3.公共施設等に対する国のスタンスについては
東日本大震災、熊本大震災等で庁舎が崩壊する事案が発生。あらためて安心安全なハコモノの必要性が高まった。
公共施設等を整備するには、施設の再編・統廃合が必須。
日本創生会議・人口問題検討分科会の増田レポートを受けて人口減少と公共施設・地域の再編が謳われた。
その結果自治法の改正や骨太の方針など提案される結果となった。
4.公共施設等総合管理計画を追加議決権事件については
多くの自治体では公共施設等総合管理計画は理事者からの報告事項のみであって審議事項になっていないのはないか?
議員の役割として公共施設の管理・監視も議員の役割である。地方自治法第96条2項に定める議会で議決すべき事件を規定することができる。
現在国内において秩父市と知立市が規定されているのみ。
5.立地適正化計画との兼ね合いについては
インフラの長寿命化計画の体系図をもとに地方が施設等総合管理計画に明記された個別的に取り組まれる。
管理計画についても現状から将来像の見直しが必要である。
6.公共施設の再編・統廃合における先進事例(泰野市・さいたま市)
さいたま市においては市町村合併に伴い公共施設が1700件存在し統廃合は避けては通れない課題であった。
独自にハコモノ三原則とインフラ三原則を公共施設マネジメント計画の中で位置づけた。
(ハコモノ三原則)
①新規整備は原則として行わない
②施設の更新(建替)は複合施設とする
③施設の総量(総床面積)を縮減する
(インフラ三原則)
①現状の投資額(一般財源)を維持する
②ライフサイクルコストを縮減する
③効率的に新たなニーズに対応する
というものです。
ライフサイクルコストの縮減については、建設費用だけでなく、その後の維持管理・光熱水費なども視野に入れて検討しているとの事です。
7.議会として住民合意形成へどうかかわるべきかについては
さいたま市、秦野市でも課題となったのですが、そこは議員の役割が重要であるとのこと。
大規模施設の建設となると建設のプロであるJVが住民の意見をそのまま受け入れることは考えにくい。
建設業界のプロとして素人の想いなどは伝わらない。またプロジェクトが市民一人一人の意見を取り入れる事は考えにくいし全ての市民の合意は不可能である。
議員の役割の一つにそうした市民からの意見をどうこなし形として作っていくかが重要であるとの認識が示されました。
最後にまとめとして・・・
議員の役割としては公共施設の運営にも積極的に関わりながら市のまちづくり全体で考える必要が重要であるとまとめられました。
報告2 「公共施設のあり方と地方議会の役割」
第2講は「公共施設のあり方と地方議会の役割」について神奈川大学法学部教授・弁護士の幸田雅治氏より講演をいただきました。
主な内容は・・・
1.公共経営とは
2.指定管理者制度採用のあり方
3.指定管理者制度における議会の役割
4.指定管理者基本条例案
5.公共施設総合管理計画
6.公共施設の再編・多様化機能化を進める際の住民合意形成のあり方
7.公共施設に関する議会・議員の役割
でした。
1.公共経営とはについて
地方公共団体の権限が徐々に拡大しつつある。その中で住民の多様なニーズの把握、意識改革が必要。
2.指定管理者制度採用のあり方については
多くの自治体で取り組まれているが問題も多数発生。特に指定期間が決まっているため引継ぎ時にトラブルも発生しやすい。
指定管理であらねばならいではなしに地域の独自性で判断すべき。
成功と失敗の両方から学ばないといけない。
3.指定管理者制度における議会の役割については
適正に運営されているのかどうか、会計は適正か等チェックする必要がある。また評価するシステム作りも重要。
専門性の高い評価システムの構築が必要である。
事故が発生した静岡県ではいち早く制度改善を行い標準スタイルを確立させた。
第1は管理施設の利用者の安全確保が重要。
4.指定管理基本条例案については
モデル条例として提案されました。今後指定管理を進める中で条例化することで基準など明確にする必要がある。
5. 公共施設総合管理計画
ニーズの把握、マネジメントの基本方針、合意形成を図かる必要がる。平成26年総務省指針により所有施設の現状把握、基本的な方針、地方財政措置(特別交付税措置)など踏まえた取り組みが必要。
6.公共施設の再編・多様化を進める際の住民合意形成のあり方
量と質の問題で維持管理も踏まえた施設数。老朽化した施設への修繕・改善など検討が必要。
建築30年で大規模改修、60年で建替えという流れ。
幅広い市民参加のプロセス。その中で議員が市民意識をくみ上げ議会へ反映することが大切。
事務局を行政が担うことは望ましくないし中立性を持ったファシリテーターが必要(実はこれが一番難しいかも)
海外で取り組まれているオープンハウス(パネル型展示説明会)の実施も取り組んではどうか
7.公共施設に関する議会・議員の役割
先の市民の意見をくみ上げる役割、審議の監視、運営の監視を行う。
というものでした。
貝塚市議会議員 南野けいすけ ホームページ
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