徳島県吉野川市・阿南市・小松島市・久勝町等視察報告書 | 貝塚市議会議員 南野けいすけの「敬介日記」

徳島県吉野川市・阿南市・小松島市・久勝町等視察報告書

facebook  にも書いています。

7月1日~3日にかけて実施しました「徳島県」での視察報告書を事務局へ提出しましたよ。


徳島県吉野川市・阿南市・小松島市・久勝町等視察報告書 平成27年7月1日~3日

≪報告1 徳島県吉野川市「学校再編」について≫
 実施日 平成27年7月1日

 

 

 
 平成27年7月1日午後2時ころ、徳島県吉野川市鴨島町鴨島115番地1の吉野川市役所へ到着。

 

 吉野川市議会事務局議事課長の吉田正喜氏のお出迎えを受け、桒原五男吉野川市議会議長より歓迎のご挨拶をいただきました。

 引き続き、犬伏司議会事務局長、貞野修二教育次長、片山富造教育総務課学校再編準備室長、猪井修学校再編準備質長補佐兼係長、寺井和也学校再編準備室政策調整係事務主任より「学校再編」についてご説明いただきました。

 吉野川市では平成16年の「平成の大合併」で4町村が合併し11年が経過していますが、その間人口も3,000人減少し、市内にある小学校16校と中学校5校でも生徒数の減少が顕著に合われてきました。

 特に小学校では1学年1クラス以下の学校が平成16年には11校になり、平成22年には2校が休校となりました。

 平成22年に教育委員会内部で検討会を立ち上げ、子ども達の教育環境を中心に学校再編に向けての議論がスタートしました。

 平成23年には「学校の適正規模・適正配置に関するアンケート」を4歳児から5歳児の保護者及び小中学校児童・生徒の保護者(3,750名)、一般市民(4歳から中学校生徒のいない世帯)の20歳以上の中から無作為抽出(4,970名)、幼稚園、小中学校教師(321名)の9,041名を対象に行われました。

 全体の回収率は53.4%(保護者86.1%、一般市民34.6%、教師90.3%)で、そのアンケート結果をもとに再編計画素案、基準など整備されたそうです。

 その中で①1学年あたり学級数はクラス替えもできる2~3学級をめざし、②通学距離を小学校で2km以内、中学校で5km以内とし、③それを越える場合は通学支援を検討する事になったとの事です。

 その基本方針を受けて平成27年には「学校再編準備室」を設置し、一部地域で平成30年を目途に統合小学校を設立することが確認されています。

 あわせて、小学校には「子ども園」も併設し、0歳から12歳まで一貫した教育も視野にいれて取り組まれているとの事です。

 市域によっては統合を促進する地域と統合に反対する地域があり、地域性によるものであることから、促進する地域から始めていく予定で、中長期的に議論し見直していくとのことでした。

 いずれにしても、子どもの教育環境を第1に考えての校区再編であり、人口減少の中で出てきた課題であります。

 この取組みについてはまだ始まったばかりで、その時期の情勢に応じて検討を進めていきたいとの事でした。

 貝塚市でも小規模小学校が増えてきており、今後の小学校区を考えるうえで先進的な取組みであると感じました。
 




≪報告2 徳島県阿南市「庁舎建替え」について≫
実施日 平成27年7月2日

 平成27年7月2日午前10時頃、徳島県阿南市富岡町トノ町12番地3の阿南市役所へ到着。
 
 阿南市議会事務局議事係長の田上浩通氏お出迎えを受け、横田守弘阿南市議会議長より歓迎のご挨拶をいただきました。


 

 引き続き、豊田一郎阿南市総務部庁舎建設課長、阿部康彦庁舎建設課長補佐より「庁舎建替え」についてご説明をいただきました。

 阿南市では昭和41年に旧庁舎が建設されました。庁舎の老朽化や耐震性の問題を考えるなかで、平成17年には庁舎建設基金条例が制定され毎年基金を積み立てて行ったそうです。
 

 これはLEDランプを手掛ける日本電工㈱が阿南市にあった事や、大潟新浜工業団地への企業誘致などにより固定資産税などを将来の庁舎建替えに充てるために、毎年基金として積み立てようという発想からスタートしたそうです。

 同時に議会内でも庁舎建設特別委員会が設置され、基本構想や用地選定等が検討され、庁舎建設推進本部に提案される仕組みとなっていました。
 

 その間、検討委員会や理事者側でも先進都市の視察を重ね、市民懇話会なども開催し意見を求めてきた中、平成23年には東日本大震災が発生し、より安全な市役所づくりにむけて現在第1期工事が完了し、平成28年度末には全体が完成する予定との事です。

 今後の課題としては、東日本大震災を機に慢性的な人員不足による工期の遅れが4箇月生じた事、また今後2期工事完成に伴い什器類、カーテンなどの物品を別途発注するにあたり膨大な事務作業が予想されることへの対応策の検討。市民開放ゾーンの具体的利用方法や運営方法が確定していない事が課題となっているとの事でした。

 市民の反応(パブリックコメント等)は予想した以上に少なかったとの事ですが、市役所建設地については、現場での建替えと旧県立高校跡地での建設を要望する地域陳情が行われたようです。
 

 そんな中で庁舎建設推進本部や市民懇話会などで現地建替え方式が決定されたようです。



 

≪報告3 徳島県小松島市「議会タブレット活用」について≫
実施日 平成27年7月2日

 平成27年7月2日午後2時頃、徳島県小松島市横須町1番1号の小松島市役所へ到着。
 

 小松島市議会事務局次長の勝野高宏氏のお出迎えを受け、井村保弘裕議長より歓迎のご挨拶をいただきました。

 引き続き井村議長をはじめ、小松島市議会改革検討会の杉本勝委員長、広田和三副委員長、委員である出口憲二郎議員、安平たかゆき議員、吉見勝之議員、松下大生議員、四宮祐司議員、高木幸次議員ら「タブレット端末を活用した議会」についてご説明いただきました。

 平成24年9月の議会運営委員会において、議会広報特別委員会よりタブレット端末導入について提案があり9月の常任委員会から導入することが決定されたとの事でした。

 iPadを導入したのですが、ソフトバンクテレコムと法人契約を交わし、本体はリースで初期費用は0円でした。利用料としては月額5,000円(現在6,447円)であり1/2は政務調査費(当時)とし、残り1/2は自己負担とされました。

 決定後、全議員を対象に3度にわたり使用説明会を開催し、使い方などをレクチャーされたそうです。

 その後、参加各議員と意見交換を行いましたが、それぞれその利便性を強調されていました。

 ①市民相談へ回答しやすい

 ②理事者への相談内容が瞬時に伝わり、無駄な動きがなくなる

 ③ペーパレスにより資料の整理がしやすい

 ④事務局の事務作業の軽減

 一方で課題として

 ①過去の資料との比較がしにくい

 ②今回の議員がタブレット導入による経費削減は年50万円程度

 ③理事者は対応しない

 という事でした。

 今回導入が実現したのは全議員の協力があってのことで、「使っているうちに慣れてくる」という気持ちがないとすすめられないと感じたのと、本来の意味でペーパレス化を目指すのであれば、理事者も導入しないと効果は少ないのではと感じました。
 

 ただし、貝塚市では現在ほぼ全職員がノートパソコンを所有しており、それを活用して議会資料のペーパレス化を目指す事も可能ではないかと思います。



≪報告4 徳島県上勝町「ゼロ・ウェイスト宣言」について≫
実施日 平成27年7月3日
 
 平成27年7月3日午前10時頃、徳島県勝浦郡上勝町福原字下日浦94番地4のゼロ・ウェイストアカデミーに到着。
 

 コーディネートいただいている㈱かみかついっきゅうの企画開発チームリーダーの脇田征幸氏のお出迎えを受けました。
 

 「ゼロ・ウェイスト宣言と上勝町のゴミの分別について」は特定非営利活動法人ゼロ・ウェイストアカデミーの東輝実事務局長から現場を見ながら説明いただきました。
 

 上勝町では以前は大きな焼却炉に住民がゴミを持参し、何でもかんでも焼却していたとの事です。そんな中で、①地球を汚さない人づくり、②ゴミの再利用・再資源化し、2020年までに焼却・埋め立てをなくすことを目的として「ゼロ・ウェイスト宣言」がだされました。
 

 その中でゴミの分別も徹底して行われ、平成9年には9分別、平成10年には22分別、平成13年には35分別、平成14年には34分別となっていますが、現在現場では39分別となっています。これは分別する基準を細かくすることにより、住民にわかりやすく分別することができるとの事です。
 

 また、生ごみ処理機も約5万円かかるのですが、住民負担を1万円とし残りを補助することにより、ゴミの排出を抑制する取組みも進められています(農林業が多いため費用としての需要もある)。

 ゴミ収集車がなく、『住民自らが処理場にゴミを持ってくる「癖」がついていたから出来るんです』と東事務局長はおっしゃっていました。39分別は慣れないと非常に難しいとは思いますが、「無駄、浪費、ゴミをなくす」という視点から非常に大切な取組みであると思います。



 

≪報告5 徳島県上勝町「彩事業(葉っぱビジネス)」について≫
実施日 平成27年7月3日
 
 平成27年7月3日午前11時頃、徳島県勝浦郡上勝町大字福原字平間71-1「月の宿」に到着。

 ㈱いろどりの谷謙太氏より「彩事業(葉っぱビジネス)」についてご説明いただきました。
 

 彩事業は高齢者や女性に出番を!というキャッチフレーズの下、㈱いろどり、JA、生産者がかかわり隙間産業である「葉っぱ」に注目した事業です。

 そもそも㈱いろどりの代表取締役の横石氏が、東京出張中の食事時に隣席の女性が「葉っぱ」を見て「綺麗」とささやいていたのを聞いて、地元に「葉っぱ」はたくさんあるからビジネスにならないかと考えたのがきっかけだそうです。

 それまで料理屋で修行する若い方が葉っぱを広い集め、その日の料理に添えていたらしいのですが、粘り強くJAや料理屋に営業をかけた結果現在日本の葉っぱビジネスの80%が上勝町で生産されているとの事でした。

 上勝町は標高100m~700mの地域にあり、同じ葉っぱでも時期がずれて開花する利点があり、長い間自然に市場に提供することができる利点もあります。

 その利点で年間2億円の売上げを確保するに至りました。始めた当初4軒で実験的に取り組んだのですが、現在は200軒もの世帯で取り組まれています。

 また上勝町は高齢化が50%を超える町です。この葉っぱビジネスを通じてこの5年間で602名の若者がインターンとして上勝町を訪れ、そのうち289人が移住されたそうです。

 さらに団塊の世代が定年後親元に帰り、葉っぱビジネスに携わる方も増えてきているとの事でした。



 これら事業の概要の説明を受け、上勝町での視察を終え、最終目的地の徳島県板野郡北島町鯛浜字大西165「徳島県立防災センター」を訪れ、地震体験、消火器実演、風害体験、煙体験や各種展示コーナー見学させていただき3日間の視察は終了しました。




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