セラピストとは? | Y

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先日FaceBookで、ある理学療法士の先生からご紹介いただいた文書です。


リハビリテーションを取り巻く環境変動が激しい中、セラピストとして、専門家として、自分がどうあるべきか考えさせられる文書です。


すべてのセラピストに見てほしい内容です。



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檄 文 ~療法士諸氏に期待する~

理学療法士PT、作業療法士OT、言語聴覚士STの'T'は『セラピスト』のTである。その誇りをもってそれぞれの分野を開拓した先達がいた。同時にリハビリテーション医学もQOLの医学として発展を遂げ、現在のチーム医療が成り立っている。

かつて医療費全体に余裕があった頃、良心的な病院は算定できなくてもSTを雇用し、患者のため
に失語症や嚥下訓練を実践していた。QOLのためには必要な人員は雇用するという立派な姿勢である。ところが全般の報酬が抑制される中、念願の(PT、OT並みの)診療報酬がSTで認められた。そのとたんに、これまで非採算部門でQOLを考えていればよかったST部門が、採算性を初めて求められるようになった。皮肉な現象である。

そして、現在の養成校乱立の時代。供給過多は目に見えていても、学校「経営」とすれば学生さえ
集まれば何とかなる。就職先があろうとなかろうと、学生がいれば学校は成り立つ。そんな時代を見
越して、診療報酬上も1人あたりの『水揚げ』がベテランも新人も一律に決められ、しかも上限単位
数あり。数字だけ見れば、『質より量』『ベテランより新人』という流れができてしまった。365日リハビリの時代になり、求人も好調のようである。有資格者の浪人数はまだ多くないであろう。

365日リハビリで語られるキーワード『病棟リハ』『生活リハ』『車椅子偏重からの脱却』・・・・
さほど極端でなければ異論はない。ところが、最も極端な例では、早出、遅出でPTが病棟で歩行訓練か歩行介助か不明のことを実施し、OTはADL訓練と称して、ADLそのものを実施している。STは嚥下訓練を複数の患者に実施したいのに、1人の患者の食事介助につきっきり。ユニフォームは3職種全く同じで区別なし。これではまるで、PT=>歩行介護士 GH:Gait Helper?、OT=>ADL介護士 AH:ADL Helper?、ST=>食事介護士 EH:Eating Helper? (Swallowingならまだ良かった・・・) これでいいのか? 介護のプロに対しても失礼である。

セラピーはどこに行ったのか?1日3時間療法を実施して、1人のレセプトが毎月100万円以上。これはビジネスチャンス(!)・・・本当にそんな志で良いのか?PT、OT、STがきちんと実施されていれば、ルールとおり算定して良い。しかし、そこで行われていることが『セラピー』ではなく『介護』であれば、診療報酬を請求すべきではない。介護することが治療にもなる、という理屈もわかる。しかし『介護』以上に効果を上げることが『セラピー』なのではないか?

同じ動作を行うにもPT、OT、ST、Nsそれぞれのプロの視点があって、最適な動作方法や介護方法が見いだせるのではないか?それがチームアプローチの本質ではないか?動作自体を行いつつ、そこの姿勢やトルクや運動学習の観点を取り入れて、最も効果的に動作を習得させるように『治療』するのがセラピーではなかったか?マッサージ的な動作から遊離した「治療」のアンチテーゼとして現れた、今のADL至上主義には、専門職存続の危機が潜んでいることに、早く気づいて欲しい。

各職種、どの世界でも専門家である。それがこの国では否定される方向にみずから進んでいる。集団自殺するレミング現象のようにも見える。それは、歴史あるセラピー、脳科学の応用分野としてのセラピー、患者さんのQOLを守ることができるセラピーから考えても堪え難い現象である。しっかりとした専門性をもって、高い志で医療に取り組んでこそ、開業の道も見えてくる。今、求人活況の中、全く逆の方向に進んでいるのだ!

心ある優秀な療法士諸氏の自覚と活動に期待したい!

(兵庫医科大学リハビリテーション医学教授・CRASEED代表 道免和久)

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このような危機感を持ったセラピストは全体のうち何人いるのでしょう。



そして専門家とはどうあるべきなのでしょう。



各個人がこの意味をよく考え、行動していく必要があると思います。




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