珠算は江戸時代以来、
長い伝統を持っています。
江戸時代には、
ソロバンは
日常生活で必要となる
計算のための
必須の道具であった。
しかしそれだけでなく、
珠算の学習を通して、
数値感覚を身につける
訓練かま行われ、
さらには考える為の
道具としての役割を
はたしていた。
江戸時代のソロバン入門書は、
単にソロバンの珠の動かし方を
教えるだけでなく、
数学的に面白い問題を
必ず載せていた。
これは、
とりもなおさず、
ソロバンを使って計算する
ことによって、
種々の問題を自ら考える機会を
得ることを意味していた。
明治以降のソロバン関係の書物が、
ソロバンによる計算の
技術的な習得を
中心にしているのとは
大きく違っている。
明治政府によって
初等教育に
筆算が導入されて以降、
珠算は計算を行うための
機器としての側面が強調され、
より速く正確に計算する
技術が重視されてきた。
そのためには、
訓練が必要となり、
そのことが現在でも
珠算教育の中心に
据えられている
ように見える。
これは、
江戸時代とは異なる
珠算への対応である。
No.2へ
続く

完成 