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 この事件、警察署内部で起きた、極めて悪質な虐待事件です。

 

 人によっては殺人とか、集団リンチ事件だと非難している様な酷い物です。

 

 しかも起こしたのは例のドライブレコーダーの音声ファイル消去事件の愛知県警です。

 

 事件発生当初、被害に遭った男性がただの統合失調症患者でなく、交通事故が原因で発症した方で、自立する為に支援施設等を利用し、職も得て、一人暮らしを始めた直後に発生した悲劇的な事件だった事が報道された為、愛知県警は方々から袋叩きにされて、関与した署員らを厳しく処分する姿勢を示していました。

 

 そのことがわかる記事は見つかりませんが、当時の報道をリンクしておきます。

 

 

 

 でも、愛知県警らしいな、とは思います。

 

 結局、この人達、きちんと罰する気なんかなかったんですよ。

 

 流石に本部長が隠すよう指示したとは思いませんが、県警採用の幹部らは、そうではなかったのでしょう。

 

 何故、関与した警察官らを厳罰に処すことをしなかったのか。

 

 理由はわかりません。
 
 処分され、依願退職した署長の名誉を守る為に、実態(詳細)を隠そうとしたのか。
 
 あるいは、公表が憚られるような凄惨な虐待が行われていて、公表後の世論を恐れた県警が真相に蓋をしたのか。
 
県警などは同日、適正な留置管理を怠ったなどとして、島崎浩志署長(60)=警視正=を減給、警部を停職3カ月の懲戒にするなど計27人を処分した。県警の不祥事では過去最多の処分者数だという。島崎署長と警部は同日付で依願退職した。
 
 
 そもそも警察署に精神障害者を差別し、酷い扱いを平気で行う警察官が大勢所属していた事だけでも大問題で、何故、そのような異常な状況が生じていたのか、その事は解明されているのでしょうか?
 
 何もわかっていない子供ならいざ知らず、いい年をした大人が精神障害者を差別して喜ぶなど恥ずべき事で、普通の真っ当な感覚を持った大人であれば、そのような事はしませんし、だからこそ、障害者に対する差別感情を有する成人が警察署に何人もいて、彼らが差別的な取り扱いをしていた事自体が、世間的に見たら、かなり奇異な話です。
 
 また、検察審査会は、警察が集めてきた証拠を精査し、検察官の下した不起訴が正当なものだったかを審理するものです。
 
 例えば、伊藤詩織氏の事件の場合、本当に被害に遭ったのかどうかについては論争がある為、その部分に触れるつもりはありませんが、当時の警視庁刑事部長が逮捕状の執行を停止するという異常な行動に出たわけです。
 
 刑事部長がそのような行動を取り、明らかに事件の揉み消しにかかっている状態で、現場の捜査幹部、捜査員らが、刑事部長の意思に逆らって、積極的に捜査して、有罪にするのに有利になる証拠をどんどん集めて来るかと言えば、言わずもがなです。
 
 この点に関しては、伊藤氏自身が、逮捕状の執行停止後、警察官の自分に対する態度がガラリと変わったと話されていて、明らかに警視庁ぐるみで事件は存在しなかった方向に持っていこうとしるのが感じ取れたそうです。
 
 だから検察審査会で不起訴相当となるのは当たり前なんです。
 
 岡崎警察署の問題にも同様の事が言えます。
 
 県警が極力重い処分・処罰が下らないように、手心を加えて捜査すれば、そのような結果になる証拠しか集まりません。
 
 検察はその証拠を元に起訴・不起訴を決めるのですから、当然、不起訴になります。
 
 その結果を不服として検察審査会に持ち込んでも、不起訴相当との結論が出て来るのは、当たり前です。
 
 日本の刑事司法において、起訴できるかどうかを決めるのは、警察の捜査だからです。
 

 警察が捜査の段階で不起訴になるように狙って動いていたら、起訴される筈の事件も、不起訴になってしまうわけです。

 

 そうでなくとも、愛知県警はパトカーのドライブレコーダーの音声ファイルを消去し、証拠隠滅してしまう組織です。

 

 しかもその上でパトカーは交通事故時にサイレン鳴らしていた、事故時のドラレコの動画に音声がないのは録音機能を使っていなかったからだと裁判所相手に嘘を吐き、国賠訴訟を起こしていた事故被害者の県民相手に反訴までしたのです。

 

 監察官室が関与して、です。

 

 県警の警察官が全員悪人だとか、そんな極論を言うつもりは毛頭ありません。
 
 ですが、組織としての愛知県警は、やはり滅茶苦茶なんです。
 
 岡崎警察署の警察官達が非常に軽い処分、処罰で終わった事は想定の範囲内ですが、愛知県警の腐敗ぶり、機能不全状態が、極めて深刻である事を決定づけるものとなったと考えています。