涙あり・爆笑あり 膵臓がん 闘病110日

最期の最期まで闘い抜いたパパのブログです



2021年4月3日 午後4時半過ぎ

亡くなる10時間前


ママ…

スイカ…

ス イ カ

た べ た い…


声はほとんど出ていないが

はっきりとスイカが食べたいと言った


わかった パパ

今すぐ買ってくるで〜


愛車の『マッハ号』に乗り

いつものスーパーでスイカをGET

この少し前

ファンタグレープが飲みたいと

リクエストしたパパ

スイカも食べたい!って

嬉しすぎて私 2回目猛ーダッシュ


パパ〜

スイカ買ってきたで〜

すぐ食べる〜?


パパ うなずく…


この1ヶ月ご飯が食べられず

水分のみで過ごしてきたパパ

メロンを一口食べた時も戻してしまったので

小さく小さくスイカを潰してパパに持っていった


ママ…

そのまま た べ る

つぶさないで…


パパはカブっとスイカを食べるイメージを

頭の中で描いていた


わかった

パパ〜 まっててな〜


スイカをそのまま持って行くと

パパは自らスイカを手に取り

カブっと 食べた


カブっ カブっ


ママ おいしい…


カブっ カブガブっ


すごいぞ!パパ!

完食!


固形物が食べられなかったパパが

スイカを自らカブっと食べた

私つかさず ビニール袋を口元に持っていく

水分すら戻していたので スイカも戻すだろうと


ママ…

ありがと…

おいしかった…


奇跡が起きた

全く戻す事なく美味しいと満面の笑みで

これでもか!って言うほど微笑んだ

ずっと 笑ってる


スイカを食べ終わった後の

パパの幸せそうな顔が忘れられない

 何度も何度も食べてくれた

これほどまでに 幸せを感じた事はない


そう この時は

まさかこの10時間後に

天国に旅立つなんて

想像すら出来なかった



スイカが人生の最期のごちそうになった