ちょっと間があいちゃいましたが、続きです。

この記事では、ナスちんの亡くなった後の写真ものせます。
グロい写真は決してないですが、苦手な方は見ないでね。


12月15日朝。
前日の夜から雨が降っていたけれど、朝には止んでいた。

ナスちんと添い寝をしながら
ナスキーくんの夢や、ナスちんの声の幻聴が聞こえまくったり
起きてナスちんの姿を確認してナデナデしたりしながら、朝を迎える。
朝になるころには、体温もすっかりなくなって冷たくなってた。
でも毛はフワフワのまま。
本当に寝てるだけのようなかわいい姿。

ミルちんにご飯をあげる。
毎日ナスちんとミルちん、それぞれの器にそれぞれの体にあわせたフードを入れて、
一緒におすわり、まて、をして、お互いのご飯をつつきあいながら食べて、
どちらかが奪ったり食べてしまったりしたら、
私の顔をみてご飯取られたぁ~ってアピールするんだ。
この日はナスちんは起き上がらない。
ミルちん一人でおすわり、まてをして、「よし」の合図を出す。
ミルちん、一口分ご飯を口にいれては、
ナスちんの姿を見る。ナスちんの姿をジーーっと見ながらモグモグ食べる。
変だな?って様子で。
いつもは私のいる方向を見ながら食べるミルちんが、私の方向を全く見ずに
一口分口にいれては、ナスちんが横になっている姿を見ていた。

夜中に予約したペットセレモニー。
父の仕事の時間の都合もあって、朝9時ごろに行く事に。
夜中の2時前に亡くなって、9時にはもう出発だなんて…。
あと1日くらい一緒にいたかったな…とか思ったけれど、
どこかで踏ん切りつけないと、ずっとあと1日、あと1日と思ってしまうんだろね。

20キロから14キロまで痩せてしまったナスちんを父がダッコして
車にのせる。

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父が運転席、母とミルヒーくんは助手席。私はナスちんと後部座席。
みんなでドライブだよぉ。
ナスちんは本当にドライブが大好きだったからね。
本当に眠っているだけのようにしか見えないナスちん。

ナスちんの好きだったお散歩コースを父に車で走ってもらう。
ガールフレンドの柴犬のチビちゃんのお家の前にもとまってもらったけど、
チビちゃんもチビちゃんの飼い主さんもお留守。
ナスちん、会えなくて残念だったね。。。
去年まで住んでいたマンションのすぐ近くのしょっちゅうお散歩した河川敷も通る。
この河川敷では飛んだり跳ねたり元気いっぱい遊んだんだよね。

イメージ 2
                     ナスちんミルちんと、母と母の友達と河川敷お散歩(2年前)

ナスちんは本当に車でいろんな所にドライブいったよねぇ。
どこにいってもいい子だから、また連れて来てね!って言われてね。。

こうやって眠っているだけのナスちんを撫でながらドライブしていると、
もうすぐお別れなのを忘れてしまいそうなくらいだった。

お散歩コースを経て、ペットセレモニー会場へ向かう。
会場は随分と山の上だった。
空が近い。

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とてもいい場所にあるペットセレモニー。
天国に近そうな所だねぇ。

車でスヤスヤかわいい顔をしているナスちん。
私は車の中で何度もナスちんとおでこスリスリした。
ナスちんのおでこの毛はフワッフワで気持ちがよくて、
ナスちんも私がおでこスリスリすると、いつもしっぽを振ってくれていた。

セレモニー会場の人がお棺を持って来てくれる。
外側は綺麗なツルツルした白の段ボールで、
中にレースの縁がついた白いツルツルのお布団が敷かれていた。
大きな体のナスちんが、箱に入れられるというすごい違和感。

生後2ヶ月のナスちんは段ボールに入れられてやってきたんだけど、
随分大きくなったから、どんな入れ物にも入らなくなったんだよね。
靴箱の下やコタツの中や、体が大きくなるごとに入れなくなっちゃって。

父と会場スタッフさんが車からナスちんをだっこして、お棺に入れる。
すっぽり入っちゃった。
大事そうに会場の祭壇前まで運んでくれる。

お棺の中にナスちんの大好きなオヤツや、愛用していたお洋服や、
いつも食べたがっていたミルちんのダックス用のドッグフードも入れてあげる。
もっと時間があれば、ナスちんの好物のもの、いっぱいそろえてあげて、
お棺にいっぱいっぱいパンパンに入れてあげたかったのに。
ワンコ用おうどんとか、ワンコ用ケーキとか、大根とか、ささみのゆでたのとか…
一杯一杯好物があるのに。
ナスちんは食いしん坊だから…。
隙間いっぱいのお棺をみたら、ナスちんに申し訳なくなって涙があふれてしまった。

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お坊さんはいないけれど、ほぼ人の葬儀と同じようにお焼香をする。
会場にいるのは、私、父、母、ミルちん、会場スタッフさん。

最期のお別れをしてくださいと言われ、ナスちんに触れる。
頭、おでこ、肉球、背中、鼻、ナデナデ。フワフワモフモフ。
本当に寝ているだけにしか見えないのに、お棺を閉じたらサヨナラだなんて。
私がなかなか、ナスちんから手を離さないから、
両親が「そろそろ」と言って来たけど、
会場の方は

「一緒に過ごして来た家族ですもんね、ゆっくりでいいですよ」

と言ってくれた。でも、ずっと撫でてるわけにもいかず…。
お棺の蓋がそっと閉じられた。
その時点で私は涙が堪えられなくなってた。

お棺が火葬場に移動される。

数年前に祖母の葬儀に出たときの火葬はかなり近代的で、まるでエレベーターの中に入るかのような
自動ドアで火も見えないタイプだった。
小学校の時に見た祖父の葬儀の時の火葬は、旧式(?)の火葬炉で、
燃えている火が見えるタイプだった。

ナスちんのは、祖父の葬儀の少し小さくしたような火葬炉だった。
火葬炉の台にナスちんの白いお棺が乗せられる。
ガラガラとナスちんが火葬炉に納められた。

会場スタッフさん「合掌でお見送りください」

…赤い大きなボタンが押される。
父、母、私が見送る。
合掌、をしながら私は泣きまくってフラついて、母に支えられながらナスちんを見届ける。

私は火葬炉の炎からしばらく目が離せなかった。

父と会場スタッフさんが、ナスちんの想い出話をしていたっぽい。
後で母からきいたら、その時、父は涙は流さなかったけれど目が真っ赤になっていたらしい。

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母に1時間はかかるから、お茶でも飲みなさい、と待合室に誘われる。
火葬炉の煙突からは空にむかって煙があがっていく。
ナスちんは、もう熱くないのかな…もう自由なのかな…?

待合室に入ると、
それまでにこのペットセレモニーで葬儀をした人の気持ちが書かれたノートがあった。
壁にもペットの写真と飼い主さんのコメントが綺麗に書かれていた。
随分若くで亡くなったペットもいるんだな…。
ナスちんは14歳、長生き…したよね。
2歳や3歳で亡くなった子と比べれば長く一緒にいた方だよね。
でも私はもっと一緒にいたかったよ。

待っている間にお花を持ってやってきたファミリーがいた。
次の葬儀の方?(次にも葬儀があると聞いていた)と、思ったら、
納骨堂にお参りに来られたらしい。
みんな、ペットの思い出を大事にしてお参りしてるんだね…。

ナスちんが白い骨になって戻って来た。
お骨上げをする。

会場スタッフさんが、これは肋骨です、これは骨盤です、と、説明をしてくれる。
端っこに背骨みたいな骨の小さいのが並んでいた。

「それはしっぽですよ」

あぁ~、ナスちんのフワッフワの毛でわからなかったけど、
こんなにかわいい尾っぽの骨してたんだぁ~。
しっぽは大事な部分だからちゃんと納めなきゃね。

母がきく
「のど仏はどれですか?」

会場スタッフさん「ワンちゃんの場合、のど仏とは言わないのですが、
頸椎の所が仏さんがお祈りしているような形になっているんですよ
こちらの仏さんは最期におさめますね」

と、見せてくれた骨は、人が手をあわせているかのような仏さんのポーズの形をしていた。
ワンコにも、仏さんがいるのかぁ。

いっぱい走ったり、穴を掘りまくったり、お手をしたり、
私が握ったりした指も、かわいい骨になっていた。指の骨も納める。
骨のどの部分を見ても、あぁ~撫でていたナスちんそのものだなぁ、と、
なんだか愛おしく感じた。骨までかわいいなんて、ずるいぞナスちん!

母「あっちでも一杯食べなあかんからね~」

と、歯、顎も納める。

骨壺が結構イッパイになってきた所で、
さっきの仏さんを入れて上げる。
そして、頭蓋骨で蓋をして、骨壺の蓋をしめて、綺麗なカバーに入れてくれる。

私が両手で手を回してハグハグしていたナスちんは、両手に収まるサイズになっちゃった。
それでも、ナスちんはここにいる。

さ、一緒にお家帰ろうか。


現金でセレモニースタッフさんにお支払いする。
個別葬でナスちんは20キロ以下だったので27000円。


帰りに、美味しい焼き芋が売っているお店があるから買って帰ろうと、
焼き芋と、お花を買って帰る。

帰りの車の後部座席は広かった。
わずかに残るナスちんの香り。

家に帰ると、家がすごく広く感じた。
母と二人でナスちんが寝ていた布団や毛布をたたむ。
お骨を置く祭壇がない…
即席祭壇をいそいそと作る。

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いつも一緒にすごした居間のテレビの横に祭壇を設置。
ちょっとにぎやかな場所だけど、そこならいつでも見れるからね。
ミルちんがイタズラをするかな、と、お供えをおかずに写真とったけど、
今はもうちょっとにぎやか。

帰りに買って来たお芋を母と食べながら、

母「ナスー!、お芋ぉーー!………あぁ…ナスはおらんのやったな…
でも、まだ呼んだら来るような気がするなぁ…。庭にでもおるような気がするよなぁ。
ミルちゃん、ハイ、お芋」

ナスもお芋大好きだったんだよねぇ…。
涙腺が緩む。
お芋をナスちんにもお供えする。

こんな調子で、ナスちんが大好きだった食べ物を食べるたびに、
うちの家族はナスの名前を呼んでしまう。

ナスちんが具合が悪くなるまでは時間がすぎるのがすごく早く感じたのに、
ナスちんの介護をした数日間から、時間がものすごく長く感じるんだ。
まるでナスちんが時計の針を遅くしたかのように。

我慢強い子だったからたったの数日間の介護だったけれど、
寂しいよぅっ苦しいよぅって泣いてくるナスちんは
見ていて辛かったけれど、すごく愛おしかった。
無駄な時間がない濃い時間だったと思う。
だって、成犬になってからあまり甘えてくれなくなったから。
最期に頼ってくれて嬉しかったんだ。
ナスちんはどう思っていたのかはわからないけどね(´・ω・`)
もっと早く病状に気がついてくれよ!って怒ってるかな…。ごめんよ…。


ナスちんは偉大だ。
心が死にかけていた私に生きる基本をいっぱい教えてくれた。
これからも私の人生の大先生なのだ。ナスちん。

こんな感じで、ナスちんを見送ったけれど、まだ近くにいる気がするんだ。


次の記事では、その後のナスちんを取り巻いていた
ステキな人間関係?人犬関係?犬犬関係?なども書いて行こうかな。