前記事の続きです。




ナスちんの病院から帰宅。
ナスちんがどうしても玄関に寝たがるから
玄関にダンボール、布団、毛布を敷いて寝床にしていたけれど、
体温が下がっているなら、そうは言っていられない。
コタツを置いている居間に寝床を設置する。
ナスの為に買っておいた一人用ホットカーペットも敷いてあげて。
枕元とお尻の所にはトイレシートも敷いて、介護準備万端。
ナスちんを寝かすと、1時間くらいは大人しくしていたかな。
目は起きていたけれど。
少しは睡眠とらなきゃだめだよ~と、目元をなでてあげるけれど、
パチっと目をあけちゃうんだ。しっかり私を見て。

しばらくすると、昨晩のような辛い鳴き声を出し始めた。
吐いた。
吐いて、シートを新しいのに変えてあげて。
顎の下に敷いているシートをかえるとき、ナスちんは軽く顎をあげてくれる。
えらいねぇ、体力落ちてるから顎や頭くらいもたれてくれたらいいのに。
まさに共同作業の介護。
吐き気止めの注射うったのに、もう効き目とれちゃったのか…

吐いて落ち着いたかなと思ったら、数分後に再びクゥ~~ンとなく。
ほとんど立てない前足で必死に立とうとする。
ナスちん、立ちたいの?、もしかしてトイレしたいの?
お漏らししてもいいのに、それでもお外でしたいの?
ナスちん、こんな大変な状態でも賢いんだね。
母と二人でナスちんを抱きかかえて庭に連れて行く。
大きな石の段差があって、そこの上段にナスちんの上半身をもたれかけて、下半身は土の上に。
この姿勢なら、足が立たなくても、オシッコやうんこしやすいかな?と思って。
庭に連れてくるとナスちんは、すごく落ち着くのか、やはり鳴き止む。
オシッコがでる様子もなく、ナスちんの体が楽そう。
今日が雨じゃなくてよかったなぁ。
雨だったらいくらお庭でも外には出せなかったもんなぁ。
ナスちんは土の匂い、草の揺れ、風を心地よく感じてるようにみえた。
少しでも草むらを走ってる気分になってもらえたらいいなと
草をちぎって、ナスちんの鼻に草をあてたりしてみた。
ナスちんはキラキラした目で見ていた。

10分くらいは庭にいたのかな。
これ以上は体冷やしちゃいけないと、また母と私でナスちんを居間の寝床へ運んで、
毛布を2枚かけてあげる。
頭ヨシヨシ。
そうだ、ナスちんの好きなブラッシングをしてあげよう!
と、私はブラッシングをする。
母は、ナスちんのヘアが乱れてるから綺麗にしてあげるね~、とハサミでチョキチョキ。
ナス専属美容師は母なのだ。

父と兄は仕事の合間にナスの様子が気になって電話をかけてくる。

私は落ち着いたナスちんの横で、
検査結果の用紙を見ながらパソコンでワンコの腎不全について調べ始める。

腎不全。
ワンコも以前より長生きするようになってから老犬には多い病気。
ナスちんの数値は、腎不全のステージ4、末期。
治療しているワンコの様子や数値をみると、みんなBUN数値が二桁。
つまり、200越えというのは恐ろしい数値ということ。
腎不全は見つけにくく、血液検査で腎不全が判明するとうことは、
腎臓の75%は機能していなくて、のこった腎臓だけで生き延びるしかないとのこと。
人間なら透析、腎移植をするけれど、犬の場合は体力、金銭的にも現実的でないとのこと。

必死にパソコンで、腎不全ワンコにいいサプリがあるらしく、それを調べていたら、
母から

「ナスがずっと横目でねーちゃんを見てるよ」

ねーちゃんとは私のこと。うちではナスちんは私の弟、ミルちんは私の息子扱い。
ナスをみると、目線がずっとこっちにあった。
今私が辛そうな顔をしたらナスちんが辛くなるから、できるだけ笑顔で。
ナスちん、ごめんごめん、寂しかったねぇ、ヨシヨシしてあげる。
まるで小犬の頃のナスちんのようだ。
寂しがりやで随分夜泣きをしたもんねぇ。小犬のナスちんの記憶が鮮明に浮かぶ。
辛い時は甘えておくれよぉ~、と、添い寝する。
手足をマッサージしたり、肉球を握って暖めたり、ナデナデしたり。

数分おきにやってくる嘔吐。
吐く量が病院に行く前より増えている。
点滴を打ったから当たり前なんだろうけど、かなり辛そうだ。
鳴き声も少しずつ大きくなっていっている。
白い泡のようなものを吐いていたのが、だんだん黄色くなってきた。
母「今日仕事でしょ?昨晩も寝てないんだろうから、横になっときなさい」

と、言われナスから見える位置でコタツに横になるけれど、
ナスが少しでも苦しそうな声を出すと起きずにはいられない。
ナスが声をだすと、ガバっとおきて、母がシートを変えながら私はナスを辛いね辛いねと撫でる。
そしてまた私は横になる、ナスが声をだす、吐く、シートかえる、ヨシヨシとなでる。
嘔吐物が黄色から茶色っぽくなる。
これは…血液がまざってきたのか…。
鳴き声も、クゥ~ンから、ワウワウワウゥー…になってる。
いつものナスの鳴き声よりも随分高い声に。
苦しいね、苦しいね、吐くだけでも体力がすごくいるよね、しんどいよね。。
見てるだけで泣きそうになるけれど、ナスちんの目は輝いているし、
私をしっかり見ているからね。

この日、夜9時から12時まで私は仕事。こんな状態のナスちんをおいて仕事に行きたくない…。
でも、仕事だから行かなきゃ…。
そうだ、ナスちんの点滴代を稼がなきゃ、ナスちんの為にも行かなきゃ。

辛いだろうけど、3時間だけお仕事いってくるから、我慢してね、とヨシヨシスリスリ。

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ナスちんは写真を取られるのが嫌いだから、
具合が悪くなってから、ナスちんが嫌がることはしたくなくて、
あまり写真を取っていなかったんだけど、
あまりにも私を見つめるからiPhoneで撮ったんだ。
このかわいい顔を忘れたくなくて。

母に、もしナスが痙攣をしていたら仕事中でもいいから携帯ならして、と、お願いした。

外は雨。自転車では行けそうになくて、母がタクシーを呼んでくれた。
いつも演奏中はiPhoneはバッグにしまってあるんだけれど、この日だけは
譜面台にiPhoneをおいておいた。幸い電話はならずにすんだ。
ほとんど寝ていなかったから弾きながら目眩がしていたけれど、
寝ていなくて辛いのはナスちんのほうだ。
いつも12時きっかりに演奏を終えているわけではなく、
リクエストがきたりして時間がすぎることがしょっちゅうだけど、
この日だけはリクエストが来にくい選曲にしたんだ。j-Popや歌謡曲を抜いて。
そして12時丁度にお店を出て、丁度仕事帰りの兄が車で迎えに。
ワンコも脱水症状が出ている時はポカリスエットがいい、っていうのをネットで見かけてたから
コンビニに寄ってポカリスエットを買って、急いで帰る。