銀色冩眞機館!-菜ノ花(新潟県栃尾市).jpg






謹賀新年。

写真は、1996年の春、新潟県栃尾市で撮影した、菜の花畑です。いや「菜の花」です。すくなくとも私は、そのつもりでした。ところが…


カメラは当時流行っていたマミヤ645。

今では、がらくたの一台です。

レンズはセコール55㎜ f2.8


この頃、私はまだ写真のなんたるかも知らないド素人で


この645に対して55㎜がいかに広角か…


計算を誤り、こんな写真になってしまいました。


私はあくまでも「花」を撮るつもりだったのに


出来上がった現像を見て愕然としました。


「これではただの風景画ではないか」と。


しかも手持ち撮影のため、手前の花はぶれる始末。


「旅行には、カメラと三脚」と言う概念がまだ無く、したがってあの重くて大きい、露出計も無いカメラと、レンズ一本だけで旅に出ました。


新潟から長野・山梨と旅を放浪し、箸にも棒にも掛からぬ写真を撮り帰ってきました。


当時、うつ病と診断され、とりあえず休職、傷病手当て金と、アパートを引き払い、実家へ帰った明くる年でした。


ついうっかり、家族に行き先を告げるのを忘れて外出(日帰りのつもりだった)したため、私が旅行している間、家では大変な事になっておりました。


大半の賢い人なら、何でも計画的に、順序立てて実行されますが、この時の私は私は計画性を考えず、放浪し、家族の心配を気にすることもしない利己的な行動。でも

 

これがうつ病の緩和にはいちばん有効な治療法だそうです。


 切符はどう工面したのか、とにかくいちばん速くて安い券を買い、婦人服の営業で慣れ親しんだ民宿へ泊まり、多分十日やそこら、あのへんをぶらぶらと探索していた、思い出の一枚です。


それでは皆様、今年もよろしくお願い申しあげます。



 

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