今の想い  富野真弘 | 慶應義塾大学体育会男子ラクロス部の日記リレー

今の想い  富野真弘

こんにちは。今年度副将の長からバトンを受け取りました4年富野真弘です。
大きな怪我を克服し、ユースや代表を経てオフェンスの中心として活躍した彼の姿には幾度と無く勇気付けられてきました。もうその勇姿が見られないのが残念でなりません。

さて、今回が最後の日記リレーです。何を書くかいろいろ考えましたが、読み返すと長いうえにずいぶんと偉そうな事を書いています。ただ、こんな事書くのは最初で最後なので大目に見てください。内容は、11月3日以降考えてきた事についてです。

<今後どうしていくべきか>
・自分に何が出来るか・何をすべきかを認識し、我武者羅になることで自主的に発展させていく事

・当事者意識を持って伝統や慣習に疑問を持ち、自らの意思で改革していく事

正直、組織において個人が出来る事は微々たるものだ。ただ、逆に言えばその些細な事を徹底的に追求していかなければならない。試合や運営において局面ごとに自分がやるべき事を明確にし、それを全員が完璧に遂行できる組織は強い。

僕は最近「強い組織=個々が自分の出来る事に誇りを持ち、周りを巻き込みながら自らの手で進化させていける組織」だと思う。だからこそ、一人一人が自分の存在意義を見出すことができ、組織として硬直せず進化し続けるのではないか。

我武者羅に挑戦や工夫を積み重ねる中で光を見つけるのは確かに難しいし、行き詰まる事や失敗する事もある。ただ、その失敗は徹底的に原因を考えなければ前に進めない。失敗したら原因と共に打開策まで考えて引き継いでいかなければならない。

もちろん成功したときも同じだ。むしろ、成功したのはあくまでも過去である事を忘れてはいけない。全く同じ事を違う人間がそのままやることは不可能なのだから。工夫して自分たちに合うように変えなければならない。変えていく権利は必ず部員全員にある。

自分に今何が出来て、今後どうなっていかなければならないか、そのために今の自分自身や組織をどう変えていかなければならないか――特にチーム運営においては、これを全員が本気で今一度考え直さないと先へは進めないと思う。

「慶應ラクロスは学生運営であり、変革したいと思えば自分たちの手で変えていける」
――これは紛れも無く現役部員の特権である。「このメンバーで出来る今年だけのチーム」という当事者意識を持って伝統や慣習をすべて1度疑い、変えていく機会だと思う。

<今年気付けた事>
・覚悟を持って動き出せばやるべき事は自然と見えてくる
今年僕は例年に無いポジションでチームに携わることになり、正直最初は不安しかなかった。ただ同期から「具体的に何が出来るかはグランドで考えればいい。

日本一を目指す覚悟があるかどうかだけを考えて欲しい」と言われ、引き受けることにした。それからはとにかく足を引っ張らないように必死だった。正直僕はこれまでチームに貢献してきたのだろうか?という点がずっと引っかかっていた。だから最後の半年は全力で取り組めたのだろう。

遅れを取り戻すために、活躍の場を与えてくれた同期の期待に応えるために、そしてこのチームで日本一になるために結果として、やるべき事は行動するたびに見えてきて、徐々に形になっていった。
存在意義も見出せたし、おぼろげながら新しい文化を生み出すきっかけを残す事も出来たかもしれない。

<負けて思った事>
・結局のところ結果がすべて
・負けて残るのは結果と後悔と虚無感

ただ、だからこそ目に見える結果が欲しかった。「よく頑張った」とか「負けて申し訳ない」とかそんな言葉よりも
「おかげで日本一になれた」と言わせたかった。

今年自分が取り組んだことの正しさを結果で証明したかった。
ただ、そのチャンスはもう無い。「優勝しなければ準優勝もビリも変わらない」というが、最終的に結果として残るのは「2009年のチームは19年ぶりにFINAL4で負けて全日に行けなかった」というただそれだけである。

「FINALに行ったらOOしよう」とか、「全日用にOOの準備をしておこう」といった計画も実行できず、むしろ「FINAL4のためにもっと準備できたのではないか」、「何かチームの異変や問題点に気付けていたなら具体的な行動に移せたのではないか…」という疑念がまだ拭い去れない。

負けた直後は何がなんだかわからなかったのが正直なところだが、後々になって「今年のチームが日本一になるためにもう何も出来ない」と言う現実を徐々に思い知らされた。また、他大学が自分たちよりも長い期間ラクロスをしているという現実を知り、所属していた過去3年間は12月中旬まで、つまり国内の大多数のチームよりも長い間ラクロスが出来た事の大切さを今更ながら改めて痛感した。だからこそ、最後の年はあまりにも早く終わってしまった事から虚無感を感じている。

この無念は後輩たちが晴れさせてくれる事を期待している。いや、歴代の諸先輩方の想いと言ったほうが正確かもしれない。
残り時間は短いが、まだ僕自身何かできることはないか考え、実行していきたい。

長くなりましたがこれで終わりにします。4年間ありがとうございました。
次のランナーは僕らの代のゴールを守り続けた#1永山竜太です。