助けあい | 慶應義塾体育会水泳部水球部門のブログ

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慶應義塾体育会水泳部水球部門の公式ブログです。

現役大学生・OB・ファンの皆様との交流の場にしたいと思います。

みなさん、こんばんは!


平素よりお世話になっております。
まなとからのバトンを受け取りました、4年の吉田翔太郎です。


まなととは、一年間共に副将として過ごしました。僕は彼の水球への熱い姿勢やプレーに、何度も勇気づけられました。一緒に水球ができたことに感謝したいです。ありがとう。







さて、ついに、自分が引退ブログを書くときがきました。きてしまいました。
1年生の頃から毎年先輩方の引退ブログを読んできて、いつかは自分も書くのだなあと思ってはいました。
どんな気持ちで引退していくんだろう?と、当時はまったく予想できず、漠然として宙に浮いていた「引退」ですが、いざその時を迎え後ろを振り返ると、いろんな思い出で溢れかえっています。


引退してから少しの時間が経過しました。率直な今の気持ちを言うと、もう同期のみんなが恋しいです。(みんなたくさん遊んでください)
毎日のように全員で集まっていた日々が、すでに懐かしく感じています。それとは裏腹に、まだ引退というものを整理しきれていない現実もあるのかもしれません。


気持ちを整理するためにも、この機会に、僕の4年間の水球の日々を振り返りたいと思います。
あまり慣れない自分語りが多くなるかもしれませんが、どうか最後までお付き合いいただけると幸いです。







僕は当初、大学水球部に入部するかとても迷っていました。体育会に限らず色々な方面の先輩の話を聞き、体育会に入ろうかどうかすら悩んでいました。

当時はコロナ禍だったこともあり、6月ごろまでどこにも所属せず決断を先延ばしにしていたのですが、最終的に入部するきっかけになったのは、「水球が大好き」という自分の気持ちでした。高校水球の引退から、水球に触れない長い期間を過ごす中で、「水球をしたい。みんなと水球の日々をまた送りたい。」という思いに嘘をつくことができず、水球部に入部しました。



そうして始まった1年目。

同じキーパーの先輩の安井さん、尾上さんを筆頭としたキーパー陣の練習に必死についていった1年でした。

初めて大学生として参加した早慶戦は、観客席から応援しました。自分もあの人たちのようにかっこよいセービングができるようになりたいと夢見ました。



2年目。印象に残っている出来事があります。
このシーズンは13番の帽子を被って、サブキーパーをすることができました。しかし、先輩キーパーが諸事情で一時期チームを離れなければならないという事態が起こりました。


正直、焦りました。

なぜなら、自分の実力がチームに追いついていない。チームに迷惑をかける事になる、と感じたからです。でもこのときキーパーは、僕一人しかいませんでした。

 

2年生の自分が4年生の皆さんの足を引っ張る訳にはいかないと思い、死にものぐるいで練習しました。しかしそれでも練習でミスをたくさんし、先輩にたくさん怒られました。


毎練習ミスを何度もする自分が情けなくて、悔しくて、ある日プールの縁で絶望していると、同期のひとりが、隣に来て「誰にでもあるよ、そういう日。大丈夫。」と一言声をかけてくれました。

 

これは彼にとっては何気ない一言だったかもしれません。ですが、僕は強く励まされ、その心強さにプールの中で泣いたのを覚えています。同期という存在の大切さ、言葉の持つ力の大きさに気付かされました。


あのとき声をかけてくれて、ありがとう。


この年の早慶戦は、ベンチから見ていました。来年は自分もあのゴールを守りたいと心から思ったのを覚えています。




3年目。一番苦しいシーズンでした。
先輩が引退され、1番の帽子を被ることになり、喜んでいたのもつかの間、やはり自分の実力の無さを痛感する毎日でした。


迎えた学生リーグ。一番の悔しい経験をしました。
スタメンで臨んだ対専修戦。1pの途中で交代させられました。


ゴールキーパーというのは、そのポジションの特性上、一般的に、なかなか交代することはありません。つまり、ひどいパフォーマンスでした。自分ではその場で修正の道のりは立てていたのですが、すぐに陸に上げられました。

 


何もできないまま、チームに迷惑をかけただけの自分が、悔しくて、恥ずかしくて、自分に怒りを感じました。試合後、誰もいない健志台のプールサイドで、当時主将の田中さんに、泣きながら話を聞いていただいたを覚えています。(田中さん、ありがとうございました。)



早慶戦でも状況は変わりませんでした。念願だったスタメン出場を果たしたものの、前半で失点を重ねた僕は、早々に交代となりました。

チームはなんとか踏ん張り勝利しましたが、心から喜ぶことができない複雑な感情でした。また、そんな自分も嫌で、次こそは最高のプレーでチームに貢献して勝利をつかもう。そう心に誓いました。


しかし、次の試合からスタメンではなくなり、公式戦の出場機会も少なくなりました。悔しいですが、当たり前の采配・結果だと思います。
コーチの中田さんに、「練習しかない。上手くなるには、練習するしか方法はないんだ。」と言っていただいたのを覚えています。今思えば、この言葉が最後まで僕の中心に強く刻まれていました。

 


背が小さいことを理由にしたくはありませんでした。ここからは、自分だからこそできるプレー・役割を必死に考え、磨くことに専念していくことにしました。





迎えた4年。監督に副将を任命いただいたときは、予想外だったこともあり、驚きました。自分にチームを引っ張ることができるのか。大きな不安と、自分たちの代が始まるという期待感を感じました。

がむしゃらに練習しました。しかし、キーパーの状況は変わず、学生リーグが始まっても出場機会はほとんどありませんでした。

この少し前から、僕は考え方を変えるようにしていました。



僕はこの年の個人スローガンを「信頼」にし、「人間として、一人のプレイヤーとして、仲間に信頼される人になる。」という思いを込めました。そして、自分ももっと仲間を心から信頼しようと思いました。
自分のパフォーマンスにこだわるのではなく、チームメイト同士の信頼関係こそが、勝利につながるし、チームに自分が貢献できる道だと考えたからです。

だから、自分が出ていないときは仲間を信頼しベンチからできることをする。いざ出番が来たら、今度は自分ができるプレーをする。チームはもちろん、交代の少ないキーパーも総力戦だと考えるようになりました。

よく考えれば当たり前のことですが、僕はこの時に気づくことができました。


結果、早慶戦、最終予選、日本選手権と、全員で戦い、自分が出たときは自分のプレーをし、勝利したときは格別の喜びを分かち合うことができました。


「チームで勝つ」というのは、これ以上ない一体感と幸福感を味わうことができると最終的に感じることができました。感無量でした。




すべてを乗り越え、振り返ったいま、4年間に悔いはありません。









予想通り自分語りが長くなってしまい申し訳ないのですが、振り返ると濃く、凝縮された4年間でした。


悔しい思い出が多くなってしましましたが、嬉しい思い出ももちろんたくさんあります。しかし悔しい思い出というのは、より鮮明に脳裏に焼き付いていますね。

 

 

 

 

 

 

 




この4年間から、僕は2つのことを学びました。

 

 



一つは、仲間なくして、自分は成り立たないということ。


苦しいときに支えてくれたのも、喜びを一緒に分かち合ったのも全ては、同期、チームメイトでした。何気ない言葉に何度も励まされ、救われ、慰められてきました。自分ひとりでは絶対にここまでやり切ることはできません。同じ目標を追いかけ続ける仲間がいたからこそ、僕はつらいことを乗り越えられたと思います。後輩のみんなには、今いる仲間をぜひ大切に。そして、一言一言の言葉を大切にしてほしいと思います。



もう一つは、努力は無駄にはならないということ。


よく、努力は裏切らない。という人がいます。これはちょっとだけ嘘だと思います。なぜなら、がむしゃらに努力しても叶わないことはあると思うからです。
しかし、努力は絶対に無駄にはなりません。これは僕の経験から断言できます。努力の結果、目標に届かなくても、思いが叶わなくても、返り咲けなくても、その努力は何か自分の力になり、役に立ちます。直接的な結果でなくても、新しい考え方や視点をもたらします。後輩のみんなには、努力することを惜しまず、積極的に努力してみることをやめないでほしいです。




偉そうでごめんなさい、、








最後にはなりますが、この4年間(塾高水球を入れて7年間)たくさんの方々にお世話になりました。

ご指導くださった栗原監督、中田さん、雅夫さん、隆さんには本当にお世話になりました。特に中田さんには、キーパーとして多くのことを教わりました。本当にありがとうございました。

 



高校コーチの山下さん。山下さんのおかげで僕はキーパーをすることができました。最初のキーパー師匠の山下さん、ありがとうございました。

 

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多くの先輩方、ありがとうございました。みなさんのような、かっこよくておおきな背中になりたいと追いかけ続けていました。
特に、キーパーのことを色々教えてくださった陰山さん、嫌というほどシュートを打ってくださった大河さん、ありがとうございました!

多くの先輩方に支えられ、成長することができました。


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それから大好きな同期のみんな。馬鹿なことして笑い合って、支え合って、僕にとってこんな人たちはどこにもいません。何度も助けられました。本当に大切な16人です。4年間ありがとう。これからもよろしくね。

 

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後輩のみんな。3年間ありがとう。来シーズンはしっかり応援いきます。慶應は本当にいいチームだと思います。錦戸はじめ、全員のことを応援しています。

 

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そして、キーパー衆。春名、下田、宇野、武井。この4人とやる足練は楽しかったです。きつい日もみんながいたから頑張れました。
春名。春名がいたから4年間気を抜くことなく、いろんな経験ができ最後まで成長できました。ありがとう。
来シーズンもがんばれ壁たち!

 

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両親、弟にも支えられた四年間でした。どんな時も静かに見守って支えてくれた家族には心から感謝しています。ありがとうございました。


そのほか、多くの方々に支えられました。





恵まれた4年間でした。僕は、このチームで水球ができたことを誇りに思います。

 

 

 

 

 

 

 




長くなりました。もう書くことはありません!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

 




次回は、我らが頼れる副務、陽南子です!


チーム運営をはじめ、みんなをまとめながら支えてくれた、縁の下の力持ちです。彼女がいなければ、このチームはまわりませんでした。


ラストブログいっちゃってください!