チームダイアリーをご覧の皆様、こんにちは。練習ジャージが小さすぎて、近ごろ防具が天むすみたいにはみ出ている2年河合より、紹介を預かりました。3年トレーナーの野崎大希と申します。太鼓持ちと呼ばれる程、先輩を持ち上げることが上手な彼から、最終的にダサいという印象が強く残る紹介を受け、動揺が隠せない心境であります。彼の言う通り、何故か部員の中で、野崎はダサいという強烈なバイアスがかかっており、今では顔を見ただけでダサいと言われるというよくわからない大変失礼な扱いを受けています。せめてこの部日記ではマイナスイメージがつかないよう気を付けたいと思います。さて、本題に入って参りたいと思います。このダイアリー、早くも3回目となります。何を書くのが相応しいかと色々考えましたが、今回はトレーナーという活動を通じて率直に感じたことを綴らせて頂きたいと思います。私の様な素人がトレーナーについて語るなど大変恐縮なのですが、皆様には一人の学生トレーナーとしての考え方を、どうか暖かく見守る気持ちで最後までお付き合い頂けましたら幸いです。トレーナーとは、一体何なのか。私自身考えたことがありました。恐らく世間一般的には、「アスリートを支えている人」というぼんやりとしたイメージを抱えている人が多いと思います。選手時代、またトレーナーになりたての頃、私もそう思っていました。選手の要求に応じて処置を施す。あくまで主役は選手であり、トレーナーはサポート役。知り合いに「トレーナーに転身した」と言うと、微妙な反応をされることから、あまり具体的なイメージが付いていないのだと思っていました。確かにあながち間違ってはいないのかもしれません。しかし、トレーナーという立場になり、現場で選手の側で活動していく中で、または他部の様々なトレーナーの方からお話を伺う中で、イメージを超えたトレーナーの役割、在り方が私の中で少しずつ確立されてきました。「勝利への道筋を示し、選手を引っ張る存在」これは私が今、思い描き目指しているトレーナー像であります。選手のコンディショニングを管理し、試合に送り出すまでが私の役目であり第一の仕事です。その中で、ただ漠然と部に参加し、必要に応じて動き、教科書通りのトレーナーとしての仕事をこなす。確かに「選手を支える」側としての在り方は間違いではありません。しかし私は、これに強い物足りなさを感じておりました。当然のことかもしれませんが、所属チームには多種多様な競技特色だけでなく、チームカラー、選手の性格、活動時間など、幅広い特徴があります。トレーナーはこれらの特徴を踏まえた上で、無限にある理論や情報の中から必要なものだけを採択し、チームにフィットする形に落とし込みアプローチしていかなければなりません。「何が必要か」「何が適しているのか」を常に意識し見極めることにより、目指すべきゴールへの道筋をトレーナーの観点から示し、選手を引っ張っていくことが可能となります。トレーナーが選手を支えるのは当たり前のことですが、ゴール、つまり「勝利」に拘る為には、+αとして、導いてくれる、その様な存在としても確立されるべきだと思うようになりました。様々な想いを巡らしているうちに上級生となり、部で唯一のトレーナーとなった今、より強い責任感を抱く様になりました。私が出したアプローチ一つで、コンディショニングを左右し試合に影響を与えてしまいます。だからこそ試合で最大限のパフォーマンスを発揮してもらう為、確かな知識を獲得し、考え方の引き出しを増やすことを心がけています。正直1年経った今も、自身の至らなさを日々痛感しており、役割を全うする為にも必死で勉強に励んでおります。改めて申しますが、トレーナーは決して目立つ仕事ではありません。それでも選手、チームの為に時間を費やし努力しようと思えるのは、私自身が皆と同じに「勝ちたい」という強い思いがあるからです。それは、私がチームに残った理由の一つでもあります。未だ微力ではありますが、少しずつ貢献できる分野を増やし、慶應を勝利へと導く、そんなトレーナーになれるよう精進して参りたいと思っております。これまで役目について散々述べてきましたが、それを踏まえ個人的に感じている務めがあります。私が抜けた後の穴を埋めることです。一昨年の冬に河田トレーナーから始まり、その後を私が継いで現在は一人で活動しております。しかし私も今年で3年生となり、来年度で引退してしまいます。その務めを果たすべく、私が引退までにやるべきことが二つあると思っております。一つ目は、我が部でのトレーナーの可能性を広げ、理想のトレーナーの存在を確立すること。二つ目は、築き上げたトレーナーという役職を後輩に引き継ぐことであります。選手を正しい方向に引っ張り、勝利へと導いてくれる存在を育て上げ、チームに残すことは、私自身の今の最終目標であります。今後の慶應のさらなる向上の為にも、新たなトレーナーを迎え入れることを望んでいます。この文章を読んで、一緒にやってみたいと、少しでも興味を持って頂けたら幸いです。ぜひその際はご連絡ください。よろしくお願い致します。最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。次回の担当は、「しゃかた」や「りきお」などの愛称で呼ばれている、1年の坂田理輝です。「ブス」とか「ダサお」と言われる私からしたら大変羨ましい限りです。彼はトロント遠征の時、持ち前の英語力と優しさを存分に発揮し、私たちを数々のピンチから救ってくれました。ぜひ坂田には、私なんかよりも何倍もイケてる部日記を期待したいと思います。それではしゃかた、よろしく。