【ニュース要旨】

 (英)ドミニク・ラーブ外相は、20日BBCの番組に出演し、今月末に迫ったEU離脱期限までにブレグジットを実現する「自信がある」と述べた。

 ブレグジットをめぐり、英下院では19日(37年ぶりの土曜審議!!)、「離脱に関する法整備を終えるまでは、離脱協定案を採決しない」という議員案を322対306で可決したばかりである。これでボリス・ジョンソン首相は19日中にEU離脱延期要請が義務付けられた。

 では、ラーブ外相の発言の意味とは一体何なのか。外相によれば、ブレグジット再延期を「ひどく不安に思う人がEUに大勢」おり、下院に対して期限までの離脱を強く求めていく、としている。

 英議会から延期要請を受けたEU:トゥスク議長は「どのように応じるか」加盟首脳と相談する方針だと発表。20日朝には27カ国の常駐代表と15分ほどの会談を行い、EU側のブレグジット合意を批准するための法的手続きを継続したという。離脱期限の延長にはEU全加盟国の合意が必要だが、フランス:エマニュエル・マクロン大統領は既に「新たな延期は誰の特にもならない」と述べている。

 

【状況整理】

 そもそもなぜ下院は延期を求めたのでしょうか?19日に提出された修正案は、元保守党のサー・オリヴァー・レトウィン議員が提出した案(通称:レトウィン案)であり、合意なき離脱は認めないと定めた「ベン法」にジョンソン首相を従わせるためのものでした。これが可決されたことで、EU離脱に必要な条件の採決”意味ある投票”は21、22日に延期されることになったのです。

 この投票を行えるかは、実はジョン・バーコウ下院議長にかかっています。今のところ、バーコウ氏が投票を認める可能性は低いとのことです。果たして、ジョンソン首相らは離脱案を認めさせることができるのでしょうか…?

 ランカスター公領相:マイケル・ゴーヴ氏は、今月末の離脱実現のための「協定案が既にある」ものの、EUが申請を受けるか受けないかの保証がない今、政府は合意なき離脱が現実となった場合の緊急時計画「オペレーション・イエローハンマー」を発動すると述べています。これは、一体どんな計画なのでしょうか…!?

 

【感想・考察】 

 いよいよ、今月末までにはイギリスがEUを離脱するか否かが決まります…!!協定延期案は可決されたものの、最終的にはEU加盟国からの承認がなければならないので、まだまだ結末は分かりません。バーコウ下院議長をきちんと説得できるかが、現在ジョンソン首相が直面している問題の一つですね。英外相は協定案可決の根拠の一つに「うんざりしている人が多い」と述べていますが、確かにその通りだと思います。イギリスの国民もEU加盟国も、きちんと利害を吟味したうえで、早めにこの問題が解決することを願っていると思います。

 

参考サイト:https://news.line.me/issue/oa-bbcnewsjapan/acdb41c6db78?utm_source=line&utm_medium=share&utm_campaign=none