<概要>

アメリカのジョージア州ファイエット郡のマクドナルドで男性が座席に体を横たえる写真がソーシャルメディアを通じて拡散された。この写真は当初、ある女性によってその男性への批判の意図をもってフェイスブックに投稿された。その後、写真の男性はそのマクドナルドで働いているホームレスで、シフトとシフトの間に休憩をしていたことが明らかとなった。また、地元テレビWSB-TVの記者によって、その男性は最近母親を亡くしたうえ、幼い息子を育てており生活苦に陥っていることも判明した。男性の困窮が報じられると、地元ファイエットビルでは、男性を支援しようという動きが高まった。この報道をきっかけに男性には、地域の人からの物的支援や多数の仕事のオファーがあった。フェイスブックに同男性の写真を投稿した女性の意図とは裏腹に、男性は世間からの温かい支援を受け、投稿者である女性は、見知らぬ人を辱める投稿をしたとして世間からの批判を浴びることになった。

 

今回のケースは、たまたま男性に関する事実が正しく報道されたことで男性に利益を与える結果となった。しかし、ソーシャルメディアが発達する現代において、見知らぬ他人によって自らのプライバシーが侵害されうるという危険性をきちんと認識する必要があると思う。また、近年ソーシャルメディア上で特定の集団や行為を批判する目的で作られたグループで写真等が共有されることが増えているという事実は、そのグループに属してしまうことが思想の偏りをもたらしうる点で危険だと感じた。私たちは、ソーシャルメディアの便利さだけでなく危険性も認識したうえで、それらを活用していく必要があるのではないか。

 

Reference

https://www.bbc.com/news/blogs-trending-48768929