中国本土への犯罪容疑者の引き渡しを可能にする条例改正案に反対する大規模デモが開かれたことを受け、香港政府は10日、条例改正案を取り下げる考えはないと記者会見で表明しました。

 

今年の初め、現政権は、事件次第では容疑者を台湾やマカオ、中国本土に引き渡す必要があるとして、条例の改正を求めてきました。しかし、デモ参加者らは中国における劣悪な人権と不透明な法を受け、反対しています。

 

 4日には天安門事件から30年を迎えた中国。香港では例年、被害者への追悼が行われています。スティーヴン・マクドネル氏によると、その模様をWeChatという中国でメジャーなSNS(中国ではInstagramやFacebook等は使えません)に、彼は写真「だけ」投稿しましたが、結局アカウントは凍結されてしまいました。

さらに30年を前に、中国の国防相が、軍による民主化運動鎮圧は正しかった、と言及もしました。

 

 

 

今回の9日のデモも、当然のごとく中国ではアクセス規制されています。

 

かつてイギリスに統治され、現在は一国二制度を採用する香港。市民は、中国とは別個の法形態を採用しているため中国では事実上保障されていない自由や権利も保証されています。しかし、今回の中国政府の介入はその制度を脅かすものと言えます。2047年(50年間)までは、香港で社会主義政策を実施ない旨を返還時に約束していますが、果たしてそれはどうなるのでしょうか。現行政大臣のキャリー・ラム氏も、中国政府の後押しを受け就任しました。今回の事件を受け、中国政府が二制度を形式的にしか見なしていないような印象を受けます。平成元年に天安門事件が起こりました。令和元年の2019年、第二の天安門事件が起こらないことを祈るばかりです。

 

 

 

references:https://www.bbc.com/news/world-asia-china-48577907

https://www.bbc.com/news/blogs-china-blog-48552907

https://www.bbc.com/news/world-asia-china-48489002