目次

1.30日に判明したこと

2.容疑者の情報

3.24日のリヨンで起きた今回の爆発事件の流れ

4.これまでフランスで起きたテロ事件一覧

5.この事件の影響

 

 

1.30日に判明したこと

 

30日フランス司法筋は、24日のフランス南東部のリヨンでの爆発事件の容疑者がイスラム過激派組織「ISIS(=Islamic State of Iraq and Syria)、(通称:イスラム国)」に忠誠を誓っていたことを発表した。

 

 

 

2.容疑者の情報

 

容疑者は、アルジェリア国籍のモハメド・イシェム・M(Mohamed Hichem M)(24)。IT関連の学生で、フランス当局からマークはされていなかった。

現在、容疑を認めており、イスラム過激派組織「ISIS(イスラム国)」に忠誠を誓ったと話している。しかし、はっきりとした動機は分かっていない。また、今回の事件では、現在までにISISは犯行声明を出していない。彼が実際にISISと関係があったのかそれともインターネットで感化されたのかは依然として不明である。

 

 

 

3.24日のリヨンで起きた今回の爆発事件の流れ

 

今回の爆発事件は、24日フランス南東部のリヨンで発生した。

人口が3番目に多い都市リヨンの中心部で小型の爆発物が爆発し、子どもを含む13人が負傷した。負傷者の命に別状はないものの、そのうち11人は、手術によって爆風で飛んできた破片を取り除かなければならなかったという。

その後の流れとしては、27日に、事件に関わったとして前述のモハメド・イシェム・M(24)がバス停にて身柄を拘束され、30日に、彼がISISに忠誠を誓っていたことが分かった、ということである。

 

 

 

4.これまでフランスで起きたテロ事件一覧

 

今回の事件のように、ここ最近フランスでは多くのテロ事件が発生している印象がある。

そこで今回、2015年6月~2018年12月の約3年間にフランスで起きたテロ事件を調べてみた。

(注意:下記全てのテロ事件にISIS又はISILが関与している訳ではない)

 

(参照:公安調査庁, 世界のテロ等発生状況http://www.moj.go.jp/psia/terrorism/index.html [accessed 2019.6.01])

 

 

2015/6/26

リヨン郊外で、ガス工場で爆発が発生。当局により拘束された実行犯の男が勤務する会社経営者の男性が死亡。襲撃時、男はアラビア語で「神は偉大なり」と叫んだ。現場にはイスラム教の信仰告白の文言の記された旗があった。

 

2015/7/15

軍施設へのテロを計画していたとして同国在住のイスラム過激派とみられる4人が拘束された。ISIL戦闘員が,彼らに攻撃を指示していたとされる。

 

2015/11/13

パリ中心部で同時多発テロが発生。130人が死亡、約350人が負傷。ISILは犯行声明にて、「フランスによるシリア空爆への報復」と主張。

 

2016/1/7

パリ北部18区の警察署前で男が、「アッラー・アクバル」と叫び、警察官に襲いかかり同署内に侵入しようとして射殺された。

 

2016/1/11

マルセイユで、トルコ出身の高校生の少年がユダヤ系男性教を刃物で襲い、軽傷を負わせた。同少年は犯行直後に拘束され、ISILのための犯行だと警察に説明。

 

2016/6/13

パリ西部イブリーヌ県マニャンビルで、男が警察幹部と警察職員の女性を殺害。ISILと関連を有する「アーマク通信」が、「イスラム国」兵士による実行と主張。

 

2016/7/14

ニースで、フランス革命記念日の花火見物に集まった人々にトラックが突入。84人が死亡、202人が負傷した。ISILと関連を有する「アーマク・ニュース・エージェンシー」が、「イスラム国」兵士が実行したと伝えた。

 

2016/7/26

ノルマンディー地方ルーアンで、刃物を持った男2人がカトリック教会で5人を人質にとり立てこもった。同2人は治安部隊によって射殺。神父1人死亡、1人負傷。ISILと関連を有する「アーマク通信」が、ISIL兵士の実行と報道

 

2017/3/18

パリ南郊オルリー空港で、武装したチュニジア系フランス人の男が、治安部隊の女性兵士の武器を奪おうとして射殺された。

 

2017/4/20

パリのシャンゼリゼ通りで、警察官を狙った銃撃テロ発生。警察官1人死亡、警察官2人と外国人観光客1人が負傷。

 

2017/6/6

パリ中心部ノートルダム大聖堂付近で、アルジェリア人の男がハンマーで警察官を襲撃。警察官1人負傷。

 

2017/6/19

パリのシャンゼリゼ通りで、警察車両に爆発物や銃器を積んだ自動車が突入。実行犯死亡。爆発は発生せず、その他の死傷者はいない。

 

2017/8/9

パリ北西郊ルバロワペレで、兵士の列に男が自動車で突入。兵士6人が負傷。

 

2017/10/1

マルセイユの駅構内で、男が通行人を刃物で襲撃し女性2人死亡。男は射殺された。

 

2018/3/23

オード県カルカッソンヌとトレブのスーパーマーケットで、男が4人殺害し15人を負傷させた。

 

2018/12/11ストラスブール中心部クリスマスマーケット付近で、男が銃及び刃物で通行人を襲撃。5人死亡12人負傷。男は当局によって射殺。

 

 

 

 

5.この事件の影響

 

これだけ多くのテロ事件が起こると、疑心暗鬼になり攻撃的になる人が出てくる。例えば、イスラム過激派組織による事件が相次いでいる現在、フランスに限らず各地で全く非のないイスラム教徒に対する差別や攻撃が強まっている。今回の事件も、容疑者がISISに忠誠を誓っているとのことでますますこの風潮を強めてしまうことが懸念される。

 

 

 

 

事件があったリヨンという都市は横浜市の姉妹都市である。今年2019年は、姉妹都市提携60周年を迎える節目の年であった。

我々INTの所属する慶應義塾大学は横浜市にもキャンパスがある。

 

姉妹都市リヨンの、事件の被害者の方々の一刻も早い回復を祈っています。

 

 

 

References

https://www.nytimes.com/2019/05/24/world/europe/lyon-france-explosion.html?module=inline

 

https://www.bbc.com/news/world-europe-48420490

 

https://www.nytimes.com/2019/05/30/world/europe/lyon-france-bombing.html

 

https://www.lemonde.fr/societe/article/2019/05/30/attentat-de-lyon-le-suspect-a-reconnu-avoir-concu-le-colis-piege_5469415_3224.html

 

https://abcnews.go.com/International/french-launch-manhunt-suspect-lyon-blast-injured-13/story?id=63274497

 

https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/seisaku/kokusai/kokusai/shimai/lyon60th.html

 

http://www.moj.go.jp/psia/terrorism/index.html